[棘]

私がまだ小学生だった頃の話。
リビングを歩いていたらものすごい激痛が左足に走って、何事だろうと思ってみたら黒い点みたいなのが出来てた。歩いてもズキズキ痛くて、仕方なく片足で飛んでソファに腰を下ろした。

ちゃんと見たら棘? だと分かった。リビングでは母がバラを置いていたので、それの棘が刺さったんだと思った。慎重に抜くと途端につるって手が滑り、どこかに消えてしまった。
心配だったので母に言うと、掃除機をかけてくれた。

その夜、奇妙な夢をみた。棘で刺した部分から血がたらたらと出ていって、苦しくなってくる。しかも血は溜まって海みたいになった(海みたことなかったけど)。で、その海から無数の目が覗いてる。
怖くなって泣きながら起きると、まだ夜だった。布団をあげてみると、足から血が出ていた。
血を止めなきゃ死ぬって思って母と父の寝室に行き、扉を開けた。二人とも寝てると思って近くに行った。
そしたら父がいなくて、父の代わりに母の隣には、赤い染みが出来てた。暗がりなのに血だとすぐに分かった。

ギャア〜! って叫んだら、いつの間にか朝で、私はベットに寝ていた。
リビングに行くと父も母も普通にいた。
変な夢だなと思いながらバラもみたら、なかった。
「バラどうしたの?」って聞いたら、「お父さんと××(私)が踏むから片づけた」と。

数年後、植物に意志があるといった内容のテレビをみて私はバラを思い出して「もしかしてバラは母を独占したくて嫉妬してたのかも」って思った。
その瞬間、懐かしい激痛が走った。

足の裏みて後悔したorz


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