[にやけるおじい]
俺が中三の冬の話。  
塾に残って勉強してたら11時くらいなって、塾長もまだ居たのか、早く帰れっていうので帰ることにしたんだよ。 
で、制服だったから補導されないかドキドキして帰ったんだけど・・ 
帰り道の電柱の下のほうになんか影があるんだよ。 
それで、うわ通りたくねぇ、とか思ったけど、高校入試ひかえて補導も怖いからそのまま歩いていったんだ。 
したらその影は人だったって分かった。60以上かな、ほぼ白髪のおじいさんだった。 
で、体育座りみたいな感じで座ってて、電柱に抱きついてるの(分かりにくいかな・・・) 
でもクソ寒いのに半袖のポロシャツだった。でも俺はちょっとおかしい人なんだろうと思った。 
当時俺の家の周りはおかしい人や可哀想な人が多くて、障害通りとまで呼ばれてたから、まぁその一員かな・・って感じだった。 
でもそれからっその道通る度に居るわけよ。まぁ夜しか通らない道だったから、その人の生活リズムとも考えられるが、やっぱ気味悪かった。 
で、一回雨降って親に傘もって迎えに来てもらったとき、さすがに雨だからかその人は居なかった。 
でも次の日・・・また雨だったけど、傘もってたから一人で帰ったら・・・ 
居るんですよ。雨降ってちょう寒いのにいつもと同じ服で。 
で、気味悪いけど、人間だと思ってた俺は「大丈夫ですか?びしょ濡れじゃないですか」と声をかけた。 
したらそのおじいさんがニマァって笑って「えへへ・・・」って言って消えたんだよ。 
もう気が気じゃない俺は走って家に帰って、親に話して、信じてくれなかったけど、次の日からはしばらく迎えに来てもらえるってことになった。 
それからはその道ではそのおじいさんは見ません。でもほぼ毎日見てます。 
夜にふと起きて目をあけたときとか顔洗って鏡見たときとか後ろ振り返ったときとか 
目の前にあのおじいさん居る。ニマァ〜〜って笑って。