[義理堅いおじさん]

先日、仕事中に妹から携帯に電話があったんだけど
妹も遠くに嫁に行っててめったに電話なんかよこす事が無いから
何だろーと思いながら出たら、昔からお世話になってたおじさんが
亡くなったって訃報でした。

俺んちは親が死んでて居ないのと、俺もあちこち引っ越したり
してて連絡が取れないので、連絡先のわかる妹のところに
おじさんの家族の人から連絡が行ったらしい。

そのおじさんは、俺たちが子供の頃近所に住んでて
家族ぐるみで付き合いをしてて、いつも家を行き交うような
関係でした。

そのおじさんは元ラーメン屋で働いていたそうで、たまに家でラーメンを
作るのだが、スープの材料の鶏がらや野菜を仕入れてきて、本格的に
丸一日かけてスープを作るんだけどそれが本当に美味しかったんだ。

妹から電話が来る2〜3日前からなんだけど、ふと昔ご馳走になった
ラーメンの味を思い出しちゃって、あのラーメン美味かったな〜
食べたいな〜おじさんどうしてるかな〜なんて気になって

そう言えばおじさんは糖尿だって言ってたし、もう70才を過ぎてる
年だし元気でやってるのかな〜おじさんも昔は暴れん坊で
いつも喧嘩ばっかりやってて威勢が良かったけど、俺たちには
優しかったな〜とか、そんな事を思い出してる時に訃報があったんだ。


お通夜と告別式に行ったんだけど、おじさんは奇麗な顔をして
棺桶の中に寝てました。俺はどうしてもおじさんが焼かれるのを
見たくなくて、火葬場には行きませんでした。

それから1週間ほどしてからなんだけど、朝方、夢の中に
おじさんが出てきたんです。「おい!○○(俺の名前)
おじさんは死んだけど、元気だぞ!」なんて事言うんだけど
死んだのに元気なんておかしいだろーって言うと

死んだら痛いとこが全部無くなってすっかり元気になったんだよ〜
一緒にラーメン食いに行こうぜ!なんて言われて、ラーメンを食いにいったんだけど
食い終わったら、○○お前も頑張れよ!

なんて言いながら生前愛用していたバイクに乗って去っていきました。(笑

後から聞いた事ですが、おじさんは仲の良かった人のところ全部に
夢枕にたって別れの挨拶をして去っていったそうです。
おじさん義理堅いよ〜。おじさんが死んで泣いてたのに
元気な姿で去って行くなんて、ちょっとかっこ良すぎじゃないかよ。

今、笑いながら泣いています。おじさんありがとうございまし


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