[傷だらけの仏さん]

3年程前に、森に肝試しに行ったときのこと。

2グループに別れて入り、先のグループが出口に目印を置き、
次のグループがそれを持って帰ってくる計画だった。



女子6人で森の入口にいき、A、B、Cの3人で入った。
何事もなく、若干つまらなそうに帰って来て、私達の番。

森を抜けるには、飛石のついた道沿いを歩くだけで
30分程で出口だが時間は過ぎるがなかなか辿り着けない。
私、D、Eは談笑しながら少し不思議に思いながら進む。

しばらくすると、Dが道沿いの木に貼付けてあるメモを発見。

『こちらです→』と書かれた意味不明なメモの矢印の方を見ると
オレンジに光っていて、何かが揺れている。

「行ってみよ!」と進むEについて、ビビリながら歩くと、
首切られた刺し傷だらけの仏サンがorz

ビビッて走ってメモの残ったところに来ると、
息をあげながら見つめ合って立ち尽くしていた。

すると後ろからサクッと葉を踏む音が聞こえ、振り返ると

オレンジの光に照らされて落ちていた何かがなく、
サクッサクッと定期的に聞こえる音が近づいて来た。

何故か体が動かなくて、見つめるしかなく、
仏サンが後少しで追い付いてしまいそうなその時、
Dが「あ゙ーーーーーー!!」と叫び、その瞬間体が動いた。

ダッシュで走って逃げようとすると、後ろの音も早くなり、
振り返ると仏サンに着いて来られてた。

私とDは走りには自信はあったが、Eは走るのが遅いが、
気遣う余裕もなくて、入口まで一目散に逃げた。

入口で待つ友達に「Eは?」と聞かれ、怖いながらも、
5人皆で探したがなかなか見つからない。

30分程して入口に一旦戻ると、泥だらけのEが震えていた。

話を聞くと、Eは何かに躓いて転び、
急いで立ち上がると土から手首が…
入口付近まで来て、あと少しと思ったところで追い付かれ、
振り返ると顔が真っ青で首がパックリ割れて、刺し傷だらけの
ボロボロの仏サンにのしかかられて言われたらしい。

「気持ちイイことしてあげようか…」と。



後日談として、警察に連絡したら確かに仏サンはいて、
調べてみたところその男性は、露出狂でレイプ犯。
女性を部屋に監禁し、何度も犯す等、性犯罪者だった。

監禁された女性の親御さんにあそこで殺されたらしいが、
何度捜しても遺体が見付からなかったらしい。


次の話

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