[懐いてきた犬]

俺の体験した話し

高2の夏、今では珍しい蝉の鳴き声やひぐらしの鳴き声があの頃の夏は当たり前に聞こえてた
蝉の声なんてうるさいし、ただでさえ暑いのに余計に暑くなるような気さえしてくる
そんな糞暑い昼下がりに部活を終えた俺と友人はアイスを食いながら橋の下で涼んでいた、橋の下は日陰になっていて川も流れているので暑い時はよく友人と入り浸っていた

アイスを食い終えてからは部活の顧問や先輩への愚痴を言ったり、好きな奴の話し、などで時間を潰していた

その時、一匹の犬の姿が目に入った
捨て犬なんて珍しいなぁ〜って思って友人に声を掛けてみた

俺:おい、あそこに犬いるぞ多分捨てられちまったんだなぁ〜可愛いそうに…

友:あぁ!!どこにいんだよ!!

俺:あの森の近くだよ!!あーもう行っちまったじゃんかよ

友:なんだぁ??逃げ足の速い野郎だなぁ

俺:女かもしれないだろ

友:関係ねぇ〜しwwつか、もう涼しくなって来たし帰っぺ!!!!

俺:そ〜だな、んじゃ明日な!!!!

その日はそれで友人と別れて帰路についた

次の日、友人が用事あるとの事で一人で橋の下でオニギリを食べていた
20分ぐらい橋の下にいて橋を渡るJKを待ち伏せしていたww

十分に堪能した後帰ろうとした時に、ワン!!と犬の声がした声のした方を見てみると森の方に犬がいた 暑くて食欲も無くてオニギリが一つ余っていたので、犬に与えようと思い犬の方に向かって歩き出した

その犬は茶色っぽい色でガリガリに痩せていて痛々しかった…捨てるぐらいなら飼わなきゃ良いのに…なんて思いながらなでなでしたり、オニギリあげたりした

犬と遊んでいる間に周りは真っ暗になっていて、街灯も近くにない森の周辺は不気味で気味が悪くて、そろそろ帰るかなぁ〜っと思って犬にじゃなぁ〜と手を振って別れようとしたが
クゥーンクゥーンと鳴いて後をぴったり付いてくる、最初はうざくて振りきろうとしたが、走ってる間に可愛いそうになってきた

ダメ下で頼んでダメだったらすっぱり諦めよう!!!!そう思い犬に駆け寄り、お手とかお座りとか、遊びながら帰った

家に着くと何だか嫌な汗が出てきて緊張してしまっていた
思えば小学生の時も拾った猫を飼いたい!!なんて言って猛反対された事を思い出した
だが、ダメで元々頼んでみよう!!そう思い玄関から家に入った…………………………が、誰もいなかった
緊張したのが馬鹿みたいに思えて来て、反対されたら捨てに行こう、何か言われるまで飼っていよう
そんなに疲れていないつもりだったが、家に入ったら急に眠くなりその日はそのまま倒れ込むように寝た

続く