[運転手]
これは俺も現場に居合わせたときの出来事 
大学の長い夏休みに暇をもてあましていた時T君(先ほどのキツネの話で登場) 
から連絡があり、「よるに肝試しやるから記来なよ。」と言われ0感だけど 
そーゆーのは大好きなのですぐにOKした。 
夜になり友達が車で迎えに来てくれ、俺は意気揚々と車に乗り込んだ。 
集まったメンバーは運転手のC君、H君、T君、俺の4人だった。4人はwktk 
しながら興奮しすぎな感じで目的地に向かった。そん時の目的地はC君曰く 
「俺の地元のヤンチャな若者御用達の廃病院」らしい。 
目的地に着き車の中から外を見回すと住宅やら畑がある一角に県道沿いだが不自然なほどに 
背の高い木が並びうっそうとしげっていた。 
車を少し離れたわき道に停め、歩いて林に近づいていった。近くに来るとやっと塀と門らしき 
ものが見えてきてかなり不気味な感じが漂っていた。
C君は以前にも来たことがあるらしくホイホイ敷地内に入っていってしまうが、俺含め 
残り3人はかなりビビリなへタレなのでC君の後ろを一列になってキョロキョロしながら 
入っていった。 
敷地内に入るとやっと建物(3階建)が見えてきたのだが、「御用達」ということもあって一階の窓やら 
玄関のドアなどがかなりこわされていた。でも中は意外と荒らされた様子も少なく待合室のベンチなどが 
きれいに残っていた。そんな中俺たち4人はビビリながら1階部分を散策し病院独特の嫌やーな感じに少し 
慣れてきた時T君が「もう出ようよ」と言い出したので、十分堪能した俺とH君は賛成し建物から出ることに 
なったんだけど、T君だけは2、3階に行きたがっていたw 
イヤー恐かったねぇ!!なんて話しながら車に乗り込むとき近くに停めてあった別の車に違和感を感じた。 
それは、わき道とはいえ道幅はそれなりに広い道路なのに車と車が向き合うように停めてあったからだ 
もちろんC君は左端に停めた。まぁうっすらと変だななんて思ったぐらいだったから「田舎だから」と自己解決し 
車は家路に着いた。帰りは俺とT君が後部座席に座り俺が前に乗り出すような感じで学校とかの話でT君以外の3人で 
ワイワイ言いながらC君の家に着いた。(みんなでC君の家に泊まることになっていた) 
車の中からずっとT君が元気なかったので「どしたん?」て俺が聞くとT君がしばらく沈黙の後「俺、見たかもしれん」 
一同「はぁ?何を?」 
T君「…いや、だから、幽霊…?」 
俺 「マジでっ!?病院なかでか?」 
T君「いや、病院出て車に乗るときに対面して車がとまっていたのわかる?その運転席に 
   人っぽいのがいたんだけど…」 
俺 「んじゃ持ち主が乗ってたんじゃない?」 
T君「たぶん違う。めっちゃ口開いててさ、しかもありえないくらいでかい口で。 
   普通車を正面から見るとハンドルのてっぺんて見えるじゃん?でも顔で隠れて見えなかったから 
   位置的にはハンドルとメーターのあいだに顔があったんだ」 
それ聞いた俺らはガクブルで朝まで起きて過ごすことになりました。 
それからT君には何も起こってないらしいけど嫌な空気には敏感になったらしい。