[電波障害]
  
 私が大学二年生だった頃、大学で出来た仲の良い友人からこんな話を聞きました。 
仮りにそいつをAとしますね。 
 Aは結構霊感があるらしく、ここにはいないはずの人間に出くわして話をしただとか、明らかに様子が 
変だなと思った(A以外は違和感は感じなかった)友人が突然亡くなったりとかいう話を聞かされていて、 
私もまぁ興味半分に聞いたりしたんです。 
 当時はAの一人暮らしの家で男ばっかでウイイレが日常だったのでたぶんこも話を聞いたのもそんな場 
面のたわいない会話からだったと思います。(前振り長久手すみません。) 
以下Aの話を思い出せる範囲で記述します。 
AがGW中に帰省したときの話です。Aの家で霊感があるのはAとA母だけらしく不思議な事は良く二人 
でいるときに起きるそうなのですが、その時もたまたまその二人で家にいたときにおきたそうです。  
 その日の朝、Aが家でくつろいでいると一本の電話がかかってきました。A母が電話を取り、なにやら 
話している様子。しかしなにか様子が変だったそうです。で、ほどなくA母が何かおかしいからとAに電 
話を変わってくれといってきてAは電話を変わったそうです。 
 すぐに受話器を受けとったAもすぐに困惑しました。相手はなにかを必死にこちらに伝えようとしてい 
るようなのですが、何が言いたいのか、何の話なのかすら初めは全く把握できなかったそうです。更にこ 
ちらの言う事は完全に無視という状況。 
 困ったAはとりあえず耳を澄まして相手の話を聞いてみることにしたそうです。電波妨害のようなザー 
、ザーという音の中で「こちら〜〜ザー、燃料が・・・・・・うんたらかんたら、機器が・・・なんたらかんたら 
ザー、ザー着陸許可も・・・・・・ザー、ザー」みたいな事が聞こえたそうです。 
Aも「電話間違えてますよ」 
とか、「うちは○○(Aの名字)ですけど」とか「どうされたんですか?」とか話しかけてみたらしいんで 
すが、そもそもこちらの呼びかけが聞こえているかどうかも怪しい雰囲気。Aは気持ち悪く感じ、なにか 
のいたずらかなとも思ったらしく結局そのまま電話は切ったそうです。 
 で、それからAとA母はそのことについて考えてみたもののなんだか分るはずも無く、おかしなことも 
あるもんだと思いながらまだみてなかった今朝の新聞を見て、愕然としたそうです。 
 ここまで書けば分ると思いますが、そうです、落ちてたんです飛行機が。民間のセスナが自分の市の近 
郊に。死者2名。詳しく読むと時間も今頃、Aはパニックになってさっきのあれは電波の混線か??とか思ったらしいです。 
でも直ぐ気付きました。今日の新聞に載ってるってことは・・・・・・。 
  
 私個人もこの記事は読んで知っていたのでこの話を聞いたときはぞっとして鳥肌が立ちました。 
Aの秀逸な作り話なのか、その新聞の記事を見た奴がかたっぱしからイタ電かけてただけなのか、 
はたまた無線が歪曲した時を経て届いたのか・・・・・・。 
 もう何年も前の出来事なので記憶に補正かけながら書きました。 
あと地名や日時など正確に覚えてますが墜落事故を特定できてしまうので詳細な記載は避けてます。