[俺の名前を囁く少女]
初めて金縛りにあった時の話なんだけど。高2の時、部活が早く終わって家に帰ったら、 
ちょっと疲れてて眠くなってきた。でもそん時夕方で、 
「こんな中途半端な時間に寝ちまったらまたリズムが崩れるなあ」と、 
ベッドの上に仰向けになりながらちょっと睡魔を我慢してたら、 
急にそれまで見えてた天井が水彩画で描かれたもののようにぱっと変化して、 
気がつくと体が動かない。っていうより体の動かし方が急にわからなくなったような不思議な感覚。 
んで、ついに金縛りがきた!なんて思ってるうちにふと 
「こういうときに怖い想像だけはしちゃだめだぞ」と考えた。とその瞬間、 
視線の先にあった窓辺の段にセーラー服を着てた少女が座っているのが見えた。 
恐怖よりも先に好奇心が来て、いったいどんな顔をしてるのかと 
視線を少女の顔に移そうとすると、その瞬間少女が消えた。 
んで安心しながらもちょっとがっかりしてると、さっき少女の座ってた場所においてあった、 
いくつかのコップになんか映ってる。それがさっきの少女だと気づいたとたん急に恐怖が! 
今、そのコップに映ってるってことは、そいつはいま自分の真後ろにいる!とわかったからだ。 
あせって金縛りをとこうとしつつ、来るな来るなと念じてたら 
段々黒いものが後ろから近づいてきている。すぐに、 
さっきの長い髪の少女が覗き込んできているとわかる。 
ゆっくり近づいてくる、ついに顔が見えた! 
がその顔には何もない。とその瞬間少女は俺の手を掴むと、 
耳元で俺の名前を二回ささやいて消えた。そして、金縛りがとけたが、 
その手にはまだ掴まれた感触が残っていた。その声は俺の姉ちゃんそっくりだった。 
そして、ああ姉ちゃんは今もずっと俺を見守ってくれてんだなあ・・と恐怖が消えた。 
ウソです姉ちゃん元気ですwなんで姉ちゃんの声だったのかは謎。実話です。