[何の楽しみもない]

マジ話なんだけど・・・・・怖い書き方できないけど勘弁して・・・
親が体験した話で・・・もう50近いおばさんなのにずーっっとその話してきてさ。
しかも体験したのは10歳の時なんだけど。
うちの親戚15人くらいで海にバーベキューに行ったらしいの。キャンプしよう
と思ってキャンプの道具一式あったんだけど、ちかくに丁度小屋みたいなのが
あって夜はそこに寝ることにしたんだって。
で、丁度そのキャンプに、うちの母親の叔母さんも呼んだんだって。それなんだけど
DVの被害者で、自殺しちゃったんだって。すっごい美人で、いい人だったらしいんだけど。
で、おばあちゃんもお母さんもちょっと浮かない気持ちでありつつも
前から親戚中で約束してたことだからそのキャンプには行ったんだって。

で、その小屋ってのは、なんか、不思議な小屋でさ、すごいかんたんなつくりで、
樹の棒が4本たててあって、そこに壁というか、プラスチックの壁を貼り付けて
あって、上には簡単な屋根みたいなのがのっかってて、床がないんだって。つまり
床は砂浜。で、何故か、壁の下の方が開いてるんだって。床から外の海をのぞける程度に
10pくらいあいてて・

昼は海でバーベキューとかして楽しんで、夜花火やって
おばあちゃんもお母さんも楽しめたんだって。

でも、その夜・・・
みんなで小屋に寝袋敷いて15人でいっぱいいっぱいって感じで寝たんだって。
それなりに人里から離れてたし観光名所とかで紹介されてないし
地元の人が知る人ぞしるって感じのとこだったから周りにだれもいなくて
寝る時はうちの母親もそのきょうだいもちょっと怖かったんだって。
だけど大人も結構いるし男の人もいたから安心して夜寝る時わいわい喋ってた

でもみんな寝始めて波の音しか聞こえなくなった頃、車が来る音が聞こえた。
大人はみんな爆睡だったんだけど子供達はちょっと興奮してて眠りが浅く
車の走る音でうちの親の三姉妹はみんな起きた。
最初は普通にアベックでも来たんかなと思ってまたうちの母親はまた目を閉じたんだ。
でも妹が服の裾を引っ張ってくる。
母『なに?』
妹『あれ・・・あのあの車・・・』
どうやらその車は小屋の近くに止まったらしく、妹は下からその車を覗いたらしい。
・・・・・・・あれ、あの車。
いつも夏休みにおばちゃんの家に遊びに行った時よくプールとかに送ってもらう時
乗った車・・・。
初めはただの同じ種類だと思った。無理にでもそう思おうとした。
だって、あれはおばさんが愛用していた車でドアの下の部分にステッカーが
貼ってあっておばさんが死んだ直後おじさんが壊した車なんだもん。
三姉妹みんながそう感じた。

妹が車を見続ける。
妹『お姉ちゃん・・・誰か・・・降りてきたよ。一人みたい。』
と思った瞬間、
ザザッザッザッ
砂浜を蹴る音。近くから聞こえていたのでおばあちゃんか誰かが電気を探しているのか
離れにあるトイレに向かったのかと思った。
違った。
音の元は目の前にあった。
あざだらけの足・・・可愛いサンダル・・・
誰かが小屋の周りを歩いているのだ・・・・ずっっとずっっと。
何周も何周も。
よく見れば内出血しているところもあり、切れてかさぶたができているところも。
ああ、おばさんだ。
三人ともそう悟った。
DVによって、ボコボコにされたヒドイ足。
怖くて下から顔を覗くことなんて出来なかった。
でもおばさんはなんで小屋の周りをずっと回っていたのかは分かった。
中に入りたいんだ。一緒に来たかったんだ。実は楽しみにしていたんだ。
・・・と、考えているうちに朝になった。いつの間にか外には誰もいない。
大人に言っても信じてくれない。だからおばあちゃんにだけ言うことにした。
そしてお墓参りに行った。
そしたら・・・お墓にはホントに微量で気付かない人もいると思うんですけど、
砂がのっていたんです。

・・・・とこれで終わりなんです。
落ちカナリ微妙でつまんねえかもしんないけど実際に体験したらめちゃめちゃ
怖いんだと思います。信じる信じないかは人の自由だと思いますが、自分はおばさんの
苦しみとか別れないけど自殺するってのはこういう楽しみさえもなくしちゃうんだな〜
と地味に気付いて欲しいです。


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