[無人のはずの別荘]

この間友人から聞いた話。

私の友人(以下Oさん)は「見える人」なんですね。
例えば、人の腹黒さとかはオーラで見えたりするらしいんです。
なんでも半透明の靄が外に放出されているのではなく、人の形をして見えるそうで、
基本的にはスネ辺りが普通の黒さで腰辺りの人は要注意人物なんだとか。
人が嘘を付いたり、利用してやろう、とか思うとその靄がどんどん上昇していって結構ゾッとするらしいです。

そんな「見える人」Oさんと先日心霊について相談を持ちかけてきました。
(私は霊感があるほうではなく、何となく霊なのかなぁー?程度しか見たことがありません。)
なんでもOさんの知り合いの友人で半年前程旦那さんをガン(?)で亡くされた方(以下Sさん)がいるらしいのですが、
旦那さんがプレゼントしてくれた別荘でちょっとした怪奇現象が起こるようなんです。
Oさんは「見える人」だと結構有名なので藁をも縋る思い出相談してきたそうで、心霊マニアの私に教えてくれました。

別荘で怪奇現象が起こったのは旦那さんが倒れて約一ヶ月後程が経った頃でした。

病気の進行が早く、少しでも良い環境で最後を・・・と思ったSさんは問題の別荘でゆったりと暮らしていました。
ある日もし旦那さんが倒れた時に男手がないとどうしようもないと思ったSさんは
Sさんのお兄さんに別荘で暫く一緒に生活をしてくれないか頼んだそうです。
家系的にお金に不住をしていない方達なので、早速一日車を運転し、家族を連れてやってきました。
大荷物を抱えて別荘に着いたのは夜中で、お兄さんの家族は直ぐにぐっすりと眠ってしまったそうです。
その早朝6時頃、旦那さんがトイレで倒れていました。

慌てて傍にあったカートをTVの方へどかし、旦那さんを運び出し救急車を呼んでSさんとお兄さんはそのまま一緒に病院へ。
お兄さんの家族も荷物を置いたまま急いで戸締りをして病院へ向かいました。
結局旦那さんはその日に亡くなってしまい、葬儀やら法事やらをしているうちに一ヶ月程経っていました。
お兄さんとSさんは荷物をそのままにしてしまったので取りに行きがてら別荘の整理をしに行きました。

いざ中に入ると中は旦那さんが倒れた日のゴタゴタしたままになっていて、TVの前のカートもそのままの状態。
掃除も人段落して少し休憩をしていた時、ふとSさんがDVDレコーダーを見てみると、DVDの入れ物が置いてあり、レコーダーの中にDVDがセットされています。
それはお兄さんが無類の映画好きでゆっくりできる時間に新しく仕入れた映画を見ようと持ってきた物だったそうです。
しかし、新品で封も開けていないはずのDVDが何故ここに?
お兄さんの家族は勿論、Sさんも旦那さんも映画を見る程落ち着く余裕はありませんでした。
しかもお兄さん達が別荘に到着した翌日の早朝に旦那さんが倒れ、その間の一ヶ月誰もこの別荘には足を踏み入れてはいません。
では誰が封を開けDVDをセットしたのか?
仮にも家族の誰かが見たのなら何故TVの前のカートは退かされていないのか?
怖くなったSさんとお兄さんは一泊して帰ったそうです。
(その間にも消したはずの二階の電気が付いていたりしたそうです)

もう一つこの別荘で起きた現象。
何処の別荘でもそうらしいのですが、水道代などは三ヶ月に一度集金をするそうなんです。
大体は4千円〜5千円程らしいのですが、旦那さんが亡くなってから初めての集金で、2万円程請求が来たそうです。
水道局の方曰く(個人的に聞いた話)明らかに誰もいないのにメーターだけが回っており、
水道の締め忘れかと思った水道局の人は元を切ってくれたそうです。

その話を聞いたSさんは急いで別荘に行ってみると水が流れた形跡や締め忘れはしていなかったそうです。

そんな別荘の相談を受けたOさんが写真を透視すると女の人が薄っすら見えたそうです。
しかし詳しくは分からないらしく、今度その別荘に行く予定だとか…。

心霊マニアの私は「一生のお願い」をしてその別荘透視計画に同行する気満々である。

同行出来たらその別荘で起る怖い思いをまた書きにこようかと思う


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