[物音]
よくバイクで一人旅をしていた後輩に聞いた話。 
 東尋坊に行ったときの事。辺りはすでに暗かったのだが肝試しのような興味もあって 
バイクを停め、がけに向かう道を一人で歩いていった。 
と、後ろから足音が着いてきた。 
「もしや自殺者?」「絡まれたりしたらどうしよう」と少し道の横に寄って 
相手を見極めようとした彼の横を通りすぎたのは 
        
『ぴた…ぴた…』という裸足の足音だけ、だった。 
彼は即効バイクの元へ戻り、ファミレスで夜を明かした。 
(ホテルなど一人になるところには行きたくなかったらしい) 
その後も懲りずに恐山にも行ったりしていたが怖い経験はこのときだけだったそうだ。