[0時40分]
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次の日、弟に言われた一言、

「今日、俺も母さんもいないけど……一人で家にいちゃいけないよ。少なくとも0時40分は」

今でもその一言を忘れることは出来ない。
もしちゃんと言うことを聞いていれば、今みたいな現状にならなくてよかったんじゃないかと思う。

もちろん俺はその注意を聞き入れなかった。
しばらく暇がなかったのもあり、やりかけのゲームを一気にプレイ。
時刻は気付けば0時40分になっていた。

ガタガタガタ―――!!
ガタガタガタ―――!!
ガタガタガタ―――!!

明らかにいつもよりガラス戸が大きく揺れる。
びっくりした俺が振り返ると【それ】はいた。
口から血を吐いて苦しんでいる男が。
ガラス戸を必死に叩いていた。

ガタガタガタ―――!!
ガタガタガタ―――!!
ガタガタガタ―――!!

恐くてしっかりと凝視出来ない。
【それ】と目があったと思ったら、それは俺の方に手を伸ばして消えていった。
その後、どうなったのかよく覚えていない。
俺を見つけた弟と母親は放心状態でなにかを呟いていたという。

夜は恐い。
そんな思いをしつつ、不意に大家から「ペット飼ってるなら出ていけ」と言われる。
自分で認めたはずなのに、それを契約不履行だと申し立ててきたのだ。
引越しってから一ヶ月もしない間にまた引っ越すことになった。
そして引っ越す直前、裁判を起こすために集めていた資料にとんでもないことが書かれていた。

数ヶ月ほど前に、大家の夫が変死していた。
それも夜中、口から血を吐いて倒れていたらしい。
近所の人の話だとよく夫婦ケンカが耐えなかったらしい。
しかも、このアパートの一階には夫の両親じゃなくて、現大家の親が住んでいる。
土地は夫の物らしいし、遺産相続を争ってるとか。
今ではその家に住んでいないが、その後色々お祓いやらして、我が家にまつわることが見えてきたのだが、聞きたい奴がいたら書くとするか。
付き合ってくれてあんがとな


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