[確認の電話]

10年ぐらい昔。

日曜の朝の9時35分。
父親はパチンコ、母親はクリスチャンなので日曜礼拝、妹はたぶん睡眠中、俺はTVゲーム中だった。

突然電話が掛かってきたのだが、母方の祖母からだった。
母親と同じで婆さんもクリスチャンなので、日曜礼拝のことだろうと思っていたら、どうやら誰宛とかじゃないみたいだった。

内容は、
婆さん「みんな大丈夫? 誰も亡くなってない? 怪我してない?」

親は出掛ける前に「行ってくるわ」と顔を出したので、いつも通りなのは確認済み。
妹は知らんが、昨日の晩は一緒に飯食ったし元気だろう。
そもそも「亡くなってない?」なんて電波な質問に対して、あぁ元気元気と適当にあしらった。

婆さんは、そんなこと言うタイプではない。
気味の悪さからゲームに集中出来ず、確認した方がいいのかなぁと引っかかりつつも、考えるほど嫌な予感がし恐怖で確認できないでいた。

9時45分。
起きたらしい妹がパジャマ姿で部屋に入ってきて、とりあえず妹は安心。
しかし一言、「ゴンタ死んでる」

寒気がした。
死んだ人が別れの挨拶をするって話しはありがちだが、愛犬でも似たようなことがあるというのを身を持って知った。

愛犬と婆さんの面識は3回もないと思う。家族旅行の時に預けたぐらい。
電話の内容から察するに、何かが亡くなったのを感じたんだろうか。
不気味だ。


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