[悪霊に間違われた]

先週の日曜に近所の神社を掃除してたんだ
夕方になってそろそろ帰ろうかなと思ったら人が神社の石段を上がってきた
おちゃめな俺はちょっと脅かしてやろうかと思って縁の下の70センチくらいのスペースにうずくまってタイミングを見計らっていた

どうやら女の人のようだ
こんな時間、人気のないオンボロ神社になんの用かな?とか考えてるうちに足がこっちに近づいて来た
俺は勢い良く左手で足首をガッ!!っと掴みすぐに離した

女の人は「ま゛ぁぁぁぁぁぁああ!!!」と奇声を上げながら尻餅を付いた
俺はその様子が可笑しくて堪えられなくなり「っは ヒィッヒィ」と引き笑いをしてしまった
その声を聞いてさらに驚いた女は「ごめんなさい ごめんなさい」と謝りながら信じられないような
速さで石段を駆け下りて行った

それから俺はもう女の声も聞こえなくなったので縁の下から這い出てきた
さすがにやりすぎたな…と反省し、賽銭箱に百円を入れてガランガランを鳴らし
「あの人の人生に幸多かれアーメン」と願い事を唱え家へと帰って行った

ここまでならよくある話だ
だが話は終わらない

俺の住んでいる地域の神社の神主さんが一軒一軒家をまわって何かを聞いていると言う話を聞いた
水曜のことだ ついに神主さんがうちに来た そして留守番していた俺に
「神社の御神木に釘が打ち付けられていた!!何か知らないか?」と尋ねてきた

俺はそんなことはしていないし何も知らない 日曜の時点で釘はなかった
俺は日曜の午前中に神主さんに目撃されている 俺を疑っているのだろうか?
色々な考えが頭を巡ったがとりあえず
「俺は日曜に神社を掃除していましたが釘なんて打ってないですよ まさか疑ってるんじゃ?」
と言った

俺はそんなことはしていないし何も知らない 日曜の時点で釘はなかった
俺は日曜の午前中に神主さんに目撃されている 俺を疑っているのだろうか?
色々な考えが頭を巡ったがとりあえず
「俺は日曜に神社を掃除していましたが釘なんて打ってないですよ まさか疑ってるんじゃ?」
と言った

神主「ごめんな…ちょっと疑ってしまってたよ 本当に悪い」
頭を下げる神主さん 俺は神主さんに別に怒ってない事を伝えると事件について聞いてみた

まとめるとこうだ
月曜 神主が釘を見つける→呪いかな?抜いてお払い
火曜 神社周辺で不審者の目撃情報 神主聞き込み開始 成果なし
水曜午前 神主、神社周辺をパトロール 成果なし 神主が俺に聞き込み

釘は以前にもあったことがあるらしいのだが今回は不審者もいるということで神主さんも本気だしたようだ
なんかコナンみたいでカッコイイと思った俺は神主さんに協力することにした
俺は水曜の夜に神社に泊まって犯人を見つけようと提案したが却下された

結局何もないまま金曜の昼になった
あれから不審者も目撃されずもう事件は終了かと思われた
夕方になりなんとなく俺は神社へと向かった

現場にいけば何かわかるかも?俺はそんな気持ちから神社に向かったのだろうか?
デジモンがスケートに潰されムシャクシャしたからこの感情を何かにぶつけたくて神社へ?
いや違う…今考えれば呼ばれていたのかもしれない

神社に着いてまずは御神木を見てみた たしかに釘が打たれた跡が残っている
社の目の前に着く 境内を見渡しても誰もいない…
適当に小銭を賽銭箱に入れお願いをしようと鈴の紐に手を伸ばす
その瞬間後ろから石段を上がってくる足音が聞こえた
まさかあの女? 俺はとっさに社の中に隠れた
だが来たのは近所のガキ二人だった 少年達は「夕方に神社行くとお化けに会えるんだぜ」
と言いながら神社をあっちこっち見てまわった
社にも入って来ようとしたが俺が戸を全力で抑えて阻止した

しばらくすると二人は帰ったので俺も帰ろうと社から出て石段を降りて行った
だが一番下にはガキ二人が待ち構えていた 誰も居なかったはずの神社から出てきた俺に
びっくりしながらガキは「お兄さん…お化け?」と聞いてきた

だが俺の顔を見るとすぐにただの近所の好青年だということに気付き「なんだ 違うのか」とガッカリとしていた
お化けが出るなんてどこで聞いたのか聞いてみた どうやら今週になって小、中学校で夕方の神社でお化けが
出るという噂が流れたらしい

〜お化けの特徴〜
夕方の神社に出る
「ま゛ぁぁぁぁぁぁ」って鳴く
めっちゃ足が速い
眼が合うと殺される


次の話

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