[大混乱]
前編

出入り口から火葬場までは湖をはさんで正反対に位置してて、左にいくと車道のある出入り口。
右にいくと人が通れるだけの小さな道+鳥居のあるお地蔵さん。選ぶのは自然と車道のほう。
もう好き好んで鳥居になんかいける状態じゃないから。
それから車道方向に向けて歩いてたんだけど、Aって言うのが悪ふざけ大好きだから横の林を照らしたり
湖を照らしたりしてた。皆が、「やめろ!」って言っても「怖がりwww」と言って聞かない。
その瞬間だったよ。
「うぉぁぉあぁあぉぉぉぉおぉぉーーーー!!!!!」って叫び声が聞こえたのは。

もうね、背筋が凍るとかいう表現あるけど、そんなものじゃなかった。
誰かが悪ふざけしてると思ったけど、俺らの列から聞こえてるんじゃない。
Cを除く全員がその声を聞いたのがわかった。その瞬間に全員が腰を落としてしまい懐中電灯
も落としてしまったから。だってありえないし。声が聞こえたのが耳元で、湖の方向からだったから。
どういう聞こえ方かの説明は上手く出来ないけど、方向は湖から。でも声は耳元でさけんでた。
そこからは全員パニック。ガクガク足が震えながら後ろに後ずさり。
前方にはも行きたくない。懐中電灯ももういい。とにかくこの場から逃げたい。
そんな感じ。もう、どうすればいいのかわからん状態。Aはどうしたかって?
腰がおちた状態、というかハイハイの形で後ろに進んでた。後から聞いたらとにかく逃げたかったんだって。

それから10分ぐらい皆ガクガクしてたけど、Cだけ「はやくかえるぞ!」とか言ってて皆の
懐中電灯を集めてきてた。そればかりかいきなり湖に小便までする始末。
そのおかげか皆少しずつ冷静になって来て笑い始めた。「はははは、お前すげーわw」とか
「お前、こわくないんか??www」見たいな感じで皆笑って忘れようとしてた。それから戻る準備をして
さぁ、帰るかってなったけど、さすがにその道を通る気にはなれなくて
逆方向から帰ることに。(鳥居方面)

まぁ、それから10分ぐらい皆無言で歩いて鳥居の近くまで無事(この時は無事って事にしときたかった)
に、辿り着いた時にまた、Bが「まじで・・・。お願いしますから・・・。」って言ったんだよ。
普通は「は?」ってなるんだろうけど、皆がその意味を分かってた。もうね、他のメンバーでは
泣いてる奴まで居た。ここに辿り着く前に皆で笑ってたときに 
  明らかに俺らのメンバーじゃない笑い声が聞こえてたから・・・。女の声が・・・。

そして、鳥居の前でソレが出た。その鳥居の前の道が細くてぎりぎり2人が並んで通れる
ぐらいの広さなんだけど、その一人分の広さの場所はすでに埋まってたんだよね。ソレは女に見えるけど
顔は見れない。ってか見たくも無い。でもそこを通れば後は一気に民家が広がるからこれさえ行けば全て終了。
そして11人もいるのに全員通れない。このときにCも視認できてることが理解できた。口をあけて少し後ずさり
してたから。通れない理由は、ソレが俺らの方向を向いてたんじゃなくて空いてる道の方を向いてたから・・・。
俺らが通るときにソレの目の前を通らないといけないんだよ。だれも行けない。でもこのままじゃダメなのも
分かってる。八方塞だった。そのときBがいきなり走りだしてそいつの横を突っ切った。
それに続けとばかりに皆も一斉に突っ切った。全員でその後Cの家まで兎に角走ることをやめなかったよ。
ずっと着いて来てる感じが拭えなかったから。

続く