[逆夢]

悪夢を見た。
ただひたすら、手で首を絞められてる夢。
相手の顔は靄がかかったかのように見えない。
振り解こうと必死にそいつの手首を掴むも、一顧だにされず
意識が少しずつ薄くなるのみ。

目が覚めたのは夢の中で意識が途切れたと同時だった。
思わず首に手をやる。嫌な汗が体を包んでいる。

これで首に手形の痣でも残っていれば怪談話だ。

そう思いながら洗面所で服を脱ぎ鏡に目をやった刹那 凍り付いた。


残っていた。紫色の 手形の痣が くっきりと


首では無く、手首に。


次の話

Part160menu
top