[ビデオのように]
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次の瞬間…目を疑ったよ…先生が突然、C子の髪を掴んで、壁にたたき付けたんだ。俺ら、まじでびびって声も出なかった。さらに、顔から血を流してるC子に対して、回りの奴らも唾とかはきかけてるんだ。
それだけじゃない、殴るし蹴るし…とかくめちゃくちゃだった。
C子はものの数分でぐったりしてて…俺ら…逃げたかったけど、動けなかったんだ。もう、怖くて息も殺してたよ。
あいつら、動かなくなったC子をずっと蹴ってるんだ。
つまり、イケニエはC子だったらしい…
さらに…
ウサギ小屋で、そのうにの一人がごそごそとなんか取り出したと思ったら、あいつら、なんか手にナイフもってるんだよ。でさ、ぐったりしたCの足とか手の皮に傷をいれて喜んでるんだ。
Aなんか切り取って、なんか喰ってるようにみえた。
先生はニタニタしてそれを見守っている。月明かりに照らされてかなり気持ち悪かった。
もう、俺ら…堪えられなくなって逃げ出したんだ。
後ろを振り向いたけど、奴らは追ってこなかった。こっちをみてニヤニヤしている…
もう、何がなんだか分からなくなって、どうやって家に帰ったのかも分からない…
そして、朝…眠りから覚めた。
いつもの朝が始まった。
昨日の微妙なビデオで変な夢をみたにちがいないって思ったし、夢でよかったとも思った。
学校にいくと、みんないる、どうでもよかったがAもいる。やっぱり、夢じゃん…って俺、すごく安心したんだ。
そして、皆で昨日の夢の話しをしたんだ…
そしたら…
全員…同じ夢をみたって言うんだ。登場人物も場所設定も、時間設定も…まったく同じ夢…
でも、向こうにはAもいるし、Bもさっき登校してきた。他の不登校のやつらも登校してる。
不思議な夢だって皆で話してたんだ。
チャイムが鳴り…
先生がいつものように入ってくる…
そして…いつものように出席をとりはじめる…
…○村C子?
○村?
C子はその日、学校に来なかった…ふと、Aの方に目をやると…
気持ち悪い笑みを浮かべこっちをみていた…。いや、見ているような気がした…。本当は怖くて奴の方なんか見られなかったんだ。
その夢以来…俺はC子の姿をみたことがない…