[輪廻と人形]
前頁

そしてその夜、輪廻が眠った後…俺とうまい棒は人形の前に居座った。
コイツが何かするなら見届けてやろうと思ったわけだ。
一時間たち…二時間たち…鼻歌で長渕を歌っていたうまい棒が寝てしまった深夜二時…例のラップ音が聞こえてきた。
ピシッ、コトッ、に混じってタタタタッなど何処からするのか分からない音が微かに聞こえてくる。
ありがちだな、などと思っていると次は輪廻がうなされ始めた。
しまいには涙を流しながらウォウウォウだのイイァだの訳の分からない事を言い出したので、これはまずいと思いオイ!オイ!と声をかけるが震えるだけで目を開けない

そうこうしているうちにうまい棒の方が異変に目を覚ました。
どうした!と駆け寄るうまい棒をしりめにホホを叩いてみるがやはり駄目。
俺「ヤバい、震え方が普通じゃないオイ!手伝え!」
うまい棒「ザメハ!!!」(マジ)

しかし輪廻には効かなかった!とツッコミを普段は入れるとこだが、今は状況が状況なだけにうまい棒をシカトして俺は人形を壁にたたき付けた。
無我夢中だったのでとっさに投げつけたが、それが吉と出たのか輪廻の震えはとまり10分後くらいには目を覚ました。
輪廻は寝ている間の事はよく覚えていないそうだ。

翌日、その人形は供養にだすことにし、三人で寺まで行ったのだが人形を輪廻が差し出す際、人形の手の部分が服に絡まりなかなか取れず
仕方なく服の一部を切ったのだが、切った瞬間に手はほどけ一体何に絡まっていたのか分からなかった。
しかし、その日から輪廻の家では怪奇は起こらなくなったそうだ。
帰りの車の中で俺はうまい棒にザメハ!ザメハ!と言い続けてやった。
本人曰く「俺も必死だった」そうだ。


次の話

Part157-1menu
top