[素直か]
女友達の大学時代の話
友達は兵庫県在住で奈良県の大学に通っていた。
でも、電車代がバカにならないので奈良県内で下宿を借りた。
午前中でバイトが終わった昼頃、下宿で横になって休憩してたら、いきなりドアが開く音がして金縛り。
タシ…タシ…タシ…
視界の端に映るドアは、閉まったまま。
何も見えないのに下宿のドアから友達が寝てる所まで、畳を歩く足音だけが近付いてくる。
タシ…タシ…タシ…
足音が横になってる枕元まで来た。動けない。動かない。どうしよう…!?
人の気配というか、息遣いがする。でも、何も見えない。動悸が激しくなる。
ビビリつつ焦る友達。その耳元に、男臭い息遣いと共に一言、声が聞こえた。
「出てけよ」
タシ…タシ…タシ…
それだけ言うと、足音はベランダに向かって進み、気配も消えた。
「…で、金縛り解けてからドア確認したけど鍵閉まっとって、ベランダも何もなかった。
でも、それより怖かったんは、下宿のベランダに生理用ナプキン投げ込む変態が出たことやな。
変態の話したら、下宿代より交通費のがたこついてもええから実家帰れって親に呼び戻されたわw」
友達が卒業後何年も経ってから、笑顔で語ってくれた話。