[家の前が心霊スポット]
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観察して気付いたが”それ”のその動きはまるで何かを捜している様な感じがした
そして”それ”は何かを独り言のようにブツブツと喋っていた。

『…い……無い……見つからない……どこだ……どこにあるんだ……無い……見つからない……』

。oO(……こいつ、何かを捜しているのか?……けど、何を?)

彼は”それ”の言っている意味がいまいち理解が出来ず、更に観察して見るとある事が分かった
”それ”は左腕が無いのだ、左の肩から先がすっぱりと無いのだ。

彼はそこ初めて”それ”が何を捜しているのかが理解できた。
”それ”は自分の左腕を捜している、そして”それ”が捜している左腕はこの部屋の辺りにあるのだと……

。oO(しかし、あいつは一週間も俺の部屋で左腕を捜しているのに何で見付けられないんだ?
   俺の部屋はそう散らかってはいないのに?それにあいつの左腕なんて知らんぞ?)

そうぼんやりと考えながら、彼の意識は闇の中へと沈んでいった。

その翌日、部屋の外からのけたましいサイレンの音で彼の目が覚めた。
。oO(どうやらあのまま寝てしまっていたのか…)、
そう友人は思いながら体を起こして見ると線路の見える方の窓の外で何人かの警官らしき影が何かをやっていた。
気になった彼は窓を開け、そこに居た警察官に何をしているのかを聞いて見る事にした。

「あの、おまわりさん、さっきから何やっているんですか?サイレンの音で目が覚めたんですけど……」
「ああ、済みません……で、何をしているかと言うと……それは……言って良いでしょうかね?
ちょっと言い難いのですが……本当に良いですか?」

妙に言い渋る警官に対して、彼がしつこく問い掛けると警官は渋々ながらも語り始めた

「それが……ここに住んでる貴方なら知っているかもしれませんが、一週間近く前にこの付近で飛び込み自殺がありまして……
その時は自殺した人の遺体の一部が見つからなかったんですよ……で、今、それが見つかったんですが……」

彼はそれを聞いて、ある事を確信した…そして、それを警官に言う事にした

「ひ、ひょっとしてひょっとすると……それは左腕では……?」
「あれ?知っているのですか?貴方の言う通り自殺者の左腕が貴方の居る部屋の窓の上の雨樋にはまっていたんです
線路の保線をしている職員がたまたま見付けて通報したんですよ。
しかし見付かって良かったですよ、あのまま見付からなかったらずっとそのままですからねぇ……」

それを聞いてふと他の方を見ると、はしごに登った警官が雨樋から何かを拾い上げ袋に入れる所が見えた
恐らく、あれが”それ”の捜していた物なのだろう……

。oO(そうか……だから、”それ”は左腕を俺の部屋で捜していたのか……其処に飛んでいったと思って……
   見つからない筈だ、まさか雨樋に嵌まり込んでいるとは誰も思わないだろうな……)

捜していた左腕が見付かったからだろうか、その日以降”それ”は、部屋に現れる事は無くなった。
だが、”それ”が現れなくなったにも関わらず、彼は直ぐに部屋を引き払い引っ越す事にした。
俺がその理由を彼に聞くと、彼はこう答えた。

「これから先、同じ事が起こらないって保証は何処にも無いからな
万が一、同じ事が起きた時に死体の一部が窓を突き破ってきたら怖いじゃないか」

俺は、そんな彼の豪胆さがある意味怖かった。(終)


一レス分多かった……orz


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