[わかる]

あれは私が高三の受験勉強真っ最中のとある秋の真夜中の事でした。
私の勉強部屋は表通りに面しており、隣の部屋には妹といとこが
すやすやと寝入っておりました。
たしか英文法の問題をといていたと思います。
窓の外側を歩く足音が聞こえます。「こんな真夜中に誰?」と思いつつ
体が固くなっていくのがわかります。その足音は隣の部屋のガラス戸の前で
とまりました。もう心臓ドキドキです。いきなりガラッ(エッツ戸が閉まってなかった?)でも部屋に入ろうとする気配がないのです。その物体は息を殺して立ちすくんでいるのです。
隣の部屋にいる私には姿は見えないのですが、わ・か・る・の・で・す。
なんとか妹たちに知らせようと思うのですが体が動かない。
何分そうやっていたのでしょうかきた時と同じようにガラッとガラス戸が締り、
その足音は私の部屋の外側を歩いて通りに遠のいていきました。
呪縛からとかれたように窓から通りを覗いてみたのですが
なんにもみえなかった・・・・


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