[開かないはずの扉]
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誰も行った事のない屋上に行けばヒーローになれる!!この時にはそれしか考える事はできずAと2人で階段をかけ上りました

確かに屋上はあいていました
鎖をとめていた南京錠とドアを閉めきっていた鍵が2つとも外されていてドアは全開
夏の眩しい光が差しこんできていて明るくなっていました

思わずイェイとハイタッチしてそのままAと半ば競争する感じで屋上へ走りこみました

都会の方で4階ならば低いのですが私は田舎に住んでいたので遠くまで見える景色がとてもキレイでした
屋上に吹く風は夏なのに涼しくて湿っぽさを感じさせません
オィ…あそこ…
Aにつられてグラウンドを見るとBが一人ポツンと立っています
2人とも完璧にBを忘れていた事に気づいて慌てて新展地から戻ろうとしました

しかし閉めた筈のないドアが何故か閉まっています
屋上のドアは重そうな扉だったので閉めたらドスンと音がするはずなのにその音も皆無でした


多少怖くなってドアを開けようとしたのですがドアノブが回りきりません
まるで鍵が掛っているみたいに…
Aと代わってみたのですが結果は同じ…
完璧に閉じ込められたのです

何で何で何で何で何で……

2人は怖くなって大声でBに助けを求めました
Bは最初は訳が解らなかったみたいでしたが次第にこっちの必死さが解ってきたらしく
先生に助けを求めに行きました

どれだけ待ったかはわかりません…ほんの数分だったらしいのですが先生が助けに来るまで物凄く長く感じました

おーい大丈夫か!!
ソフトボールの担任の先生が来てくれました。助かった…
しかし、そう思ったのもつかの間先生は一向にドアを開けてくれる様子はありません

ドンドンドン!!と強くドアを叩いてばかり…
その内音はガンガンという大きな物に変わっていき最後にはドーンと体当たりするような音へと変わって行きました
明らかにおかしい音に2人とも大泣きしながら震えあがっていました

バーンと言う表現が一番正しいでしょうか
ドアと2・3人の男の先生が一緒に屋上になだれこんできました
そこまでで私の記憶は途切れています

後から聞いた話だと
助けに来た時にはドアだけでなく鎖のほうまで施錠されていてなおかつ鍵は教員室から出ていなかったそうです
しかもドアの鍵を開けようとしても鍵穴が回らず開けられなかったため仕方なくBが他の先生を呼びに行って体当たりでぶち破ったという事でした

一体何でこんな事になったのか皆目見当がつきません
でも閉じ込められた恐怖でいつおかしくなり飛び降りて死んでいたかもわかりません

ここからは私の推測ですが仲間を探して迷う子供の霊は学校によく集まるそうです


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