[オクレー]
初投下です。文章下手ですが多めに見てください。 
まだ小学校に宿直制度があった時の話。 
ある小学校に田中というとても真面目な教師が赴任してきた。 
彼は教頭から色々と学校について説明を受けたが、どうしても納得がいかない点が一つあった。 
それは、『宿直の際に理科準備室は見回らなくて良い』ということだ。 
彼は本当に真面目な人物だったので、そんなことは納得がいかなかった。 
そうこうしている内に、彼の宿直の番が回ってきた。 
彼は木刀と懐中電灯を持って校舎を見回っていたが、特に怪しいところはなかった。 
そして─彼は例の教室の前に立った。 
学校が建てられた当時からまったく改装されていないその部屋は、外側から覗く 
だけでも不気味な様相をかもしだしていた。 
『いや、学校の為だ。ここに不貞の輩が潜んでいるかもしれん』 
田中は思い切って理科準備室の扉を開けた。古くなったホルマリンの匂いが鼻をつく。 
中にはアルマジロや、タカの剥製、人体模型などが並べられており、 
天井から白熱灯が吊るされていた。 
辺りを見回したが、誰かが潜んでいるようすもない。 
『よし、これで他の先生も安心して見回りが出来─』 
        
その時、彼の耳元で声がした。 
        
        
オ ク レ─ 
        
        
次の日、いつまでたっても出勤しない田中先生を心配して、教頭が学校中を探し回った。 
教頭は理科準備室の扉が少しあいているのを見つけて、中に入った。 
そこには、変わり果てた田中先生の姿があった。 
彼は内臓を全て失っていた。 
教頭はため息をついて、辺りを見回した。そこには折れた木刀と、明らかに配置のおかしい 
剥製たちがガラスの眼を光らせていた。