[ぼくごろう]
私が大学生だった頃の話です。
ある日私は クラブのコンパで夕飯は いらないと母に言いました。
すると、そこにいた弟と妹も、その日は 約束があり
家で夕飯は食べないとの事でした。
それを聞いた父と母も、「それなら私たちも 外食しよう。」と
その夜は 家族全員が外出する事になったのです。
夕方、私は 荷物を置きに、一旦家に戻りました。
その時すでに家には誰もおらず、待ち合わせの時間も
迫っていたため、すぐに家を出ようとしたときです…
電話が鳴りました。
私 「はい、○○です。」
「もしもし、ボクごろう。」
…それは 明らかに4,5歳の幼児の声でした。
「いまからいくからね」
???誰だ?ごろう?こども?知らないよ…
私 「えっと〜、どちら様ですか?」
「ボクごろう…いまからいくからね」
私 「え?もしもし?ボクどこのごろう君?」
「………」
その名前にも、年齢にもまったく心当たりがなかった私は
間違い電話だと思いました。
私 「もしもし?ボクどこに電話してるの?ウチは…」
「かせの○○でしょ?」
確かにウチは『加勢と言う所の○○と言う苗字』です。
私は 少々あわてました。
母達の知り合いの子供なのではないか?何か約束をしていたのではないか?
「…ボクいまからいくからね」
私 「あのね、今日は みんな出掛けてて、ごろう君来ても誰もいないよ?!
私もこれから出掛けちゃうし。お父さんか、お母さんに代わってちょうだい!
…もしもし?…もしもし?!」
「ボク……いまからいくからね。」
突然、私は 気味悪くなりました。
続く