[無邪気な子供]
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気を失うかと思ったが意外にもそれはなく
映画が終わるまで子供の笑い声と時々身体に触れる小さい手の感触に耐えて
とにかくずっと目を閉じていた。映画の内容ほぼ音だけで把握。
気になるとこだけ薄目で見ようとかすると目の前の子供が
「ばあ!」とかやってきて泣きそうになる。
女子高生が隣にいなかったら多分漏らしてたねww
照明が点いて周りの客が動き出してからようやく子供の声も姿も見えなくなり、
映画見た疲労感の50倍以上に疲れている俺。
女子高生達はなにやら映画の内容で盛り上がっているが
俺はそれを聞いて「へーそんな事もあったのか」とふらふらしながら
ついていくのが精一杯。Mは珍しく(女子が居るからか)気を利かせて
全員の飲み物を買ってきたりして紳士wだった。
Mに話し掛けるタイミングを見計らっていると
連れの方の女子高生が「Tさん凄かったですね」と話し掛けてきた。
うん?映画の話じゃないの?と思いながら聞き返す。「え?映画?」
「違いますよ、Tさんの周りに集まってたじゃないですか」・・・(゚Д゚)ハァ?
この女子高生も電波か!いや、流石にここまで来たらそうは思わなかったが。
この後駅まで歩きながら聞いた話ではMとその女子高生は
別に付き合っているわけではなく単に心霊とかオカルト好きなので
一緒にいるらしい。

この間の朝も別な学校の女子高生が来れる時間に合わせて来たので
時間が早かったとか。
彼女にはMみたいな妙な力はないらしいが
「それ」が居る事と大体の位置がわかる。
とMが説明した。女子高生二人はちょっと前を歩きながら
やっぱり映画の話に戻っていた。
その辺で、流されて相槌しか打てなかった俺もようやく落ち着いてきて
「っつか今日のアレなんとかできなかったのかよ」と聞くと
「は?何言ってんの?
映画よりよっぽど面白いもん見れるのにわざわざ止めるわけないじゃん馬鹿だな」
( ゚д゚)ポカーン
その言葉が聞こえていたのか、
Mの連れのほうの女子高生が振り返って「M!」と怒る。
ああ…やっぱりオナノコは優しいね…
「今日のだったら映画の方が面白いよ!」
il||li_| ̄|○ il||li
ちなみに地縛霊っぽいのだったらしく憑いてきてはいないそうな。
映画はレンタル出たら借りようと心に決めた。


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