[エイズの世界]

とある若い女性が友人たちとハワイ旅行へ出かけた時の事だ
彼女はハワイでハリーという名の素敵な白人男性と知り合う。南の島の開放的な雰囲気の中
二人はたちまちのうちに愛しあうようになった。やがて彼女が帰国する日がくると
空港まで見送りにきてくれたハリーは彼女をそっと抱きしめて
「飛行機が離陸したら包みをといてほしい」と言って彼女にジュエリーケースを手渡した。
二人はいつまでもなごりを惜しんでいたのだが、ついに飛行機の離陸時間がきてしまう。
またいつか再開することを約束し、彼女はハリーと別れた。
やがて離陸した飛行機の機内で、彼女はハリーの言葉を思い出しジュエリーケースの包みをといた。
ところが、その中に入っていたのはたった一枚の紙切れだけ。不思議に思いながら彼女がその紙をひろげると
そこにはただ一言、こう書き記されていた。『WelcomtotheworldofAIDS!(エイズの世界へようこそ!』
というのは、お決まりの都市伝説!

しかし、一年程前オレは初めて風俗店なるものへ行ったんだが、そんときに風俗嬢から聞いた実話です。
そこの店は、関東の中でも有名な風俗街にあるんだけど、その土地名からNK流という本番サービスを売りにしている店で、値段も安く、なかなかの美人ぞろいだった。
オレは、とりあえずやることをやり、余った時間で女の子との会話を楽しんでいた。まぁ、ありがちな「今までに出会った変な客」について話してたんだけど
その風俗嬢は、「絶対に誰にも言わないで!」と強く念押しした後、こんな話を始めた。
「あるお店の同業者の友達で、客からエイズ貰っちゃった子がいるの…」

「その客は、見るからにオタクっぽい40代位の不潔そうなオヤジだったんだけど
自分がモテないことを悟っているらしく『仕事とは言え、こんなオヤジとやるのも大変でしょ?』何て言いつつ
お金を余分に手渡してくれたんだって。

そこまでされると、さすがにいい人なんだと思えてきて、悪い気はしなかったから楽しく時間を過ごしたんだって。
それから客が帰った後に、もらったお金が入っている封筒を開けると、3万円と共に紙切れが2枚入っていて
1枚は下手な手書き文字で〈所詮、君の値段は1万円(風俗料金)、僕が高い値段で買ってあげる〉って書いたものが入っていて
『やっぱオタクの考えることはわかんないな〜(笑)』なんて思ったらしいんだけど
2枚目の紙切れを見て気を失いそうになったんだって。
その2枚目の紙切れって言うのが
≪エイズ検査証明書≫だったらしいよ。

オレは、この話を聞いて、なんて言っていいか分からず、元々お人よしな性格なんで、生きる希望やら、新薬の進歩やらを熱く語ったんだ。
そしたらその風俗嬢の子が泣き出しちゃて、「お客さんみたいないい人に嘘なんかつけない!」って言い出して、わけがわからず「どういうこと?」って聞いたら
彼女は泣きじゃくりながら、やっとの小さな声で言った。
「さっきの話、友達じゃなくて私なんです…ごめんなさい」
「……」

幸いにしてオレは検査の結果、陰性だったが、NKという言葉に心当たりのある方、あの辺は危険ですよ…一度検査をオススメします。
ちなみに後ほど店に電話をしたら、その子は既に店を辞めてました。


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