[なんなんでしょう]
これは先月、京浜東北線のホームで電車を待っていたときの事です。 
        
通勤ラッシュの時間帯だったので、ホームに降りる階段は、とても混み合って 
いたのですが、突然女性の金切り声が聞こえて、私は驚いて階段を振り返りました。 
        
その女性は全身黒尽くめ、伸び散らかした髪の隙間から眼を見開いて、 
サラリーマン風の男性の後ろにピッタリと張り付いて叫びまくってました。 
動きかたや表情がとても不気味で、直感的にヤバイと感じました。 
        
「死んでやる !!!!」とか 「言いふらしてやる 
!!!!」とか叫んでました。 
        
しかしこの男性、まるで動じる仕草もみせず、携帯をいじりながら電車を待ってます。 
まもなく私は待っていた電車が着いたので、すぐさま乗り込みました。 
すると反対側で待っていたはずのサラリーマン男が、逃げ込むようにこちらの電車に 
飛び乗ってきたのです。男は人ごみをかきわけるように、私の車両へ入ってきました。 
黒女も狂ったように追いかけてきました。そしてドアが閉まると同時に 
男はホームに飛び出しました。 
「テメーーーーーーーー!!!!!!」耳を劈くような悲鳴が車内に響きました。みんな呆気。 
男はホームから扉越しに冷たい眼で 
        
「死ね」 
        
と言って(聞こえなかったけど口元がそう言ってた)、反対ホームに戻りました。 
        
同じ電車に乗り合わせてしまった女は、ブツブツ言いながらバッグをまさぐってた。 
彼女の一挙一動にビクつきながらの次の駅に着くまでの10分間、生きた心地が 
しませんでした。本当に恐かった。