「浜田」

浜田 昨日ね、夜中、仕事終わったあと……。
松本 夜中、終わります。
浜田 家、帰ったんですよ。三時半すぎくらいに、キュッて曲がったら ババァが立ってたんですよ!
松本 ババァっていくつくらいの?
浜田 もう七十過ぎくらいの……。で、曲がられへんかったんよ、
   ババァがおったから。内輪差で巻きこむ思たから。危ないから一回止まって。ほしたら、パッとよけたから、スーッといって、家の前
きて、シャッター開けて、ちょっと前出てバックで入れよう思たら
チャリンコが出てたんですよ。もう、かなわんなあ言うて、チャリ
   ンコを奥へガッとやってたら……、オレのここ(後ろ)にババァが立ってんねん! オレ夜中にウワーッ言うて叫んでもた!!
松本 ごっつ怖いやん。

浜田 もうメッチャ怖いねん。怖い思たけど、とにかく車に乗ろう
として、パッと後ろ見たら、おれへんねん。
松本 も、それっきりババァおれへんの?
浜田 違うねん。パッと見たらおれへんかったから、車乗ってバー
   ンとドア閉めて、バックにいれて下げよう思たら、ここ(横)に気
   配すんねや。で、パッと見たら、ちょうど助手席の窓にババァ、
   はりついてんねん!!オレ、また、ギャッーや!!
松本 夜中の四時に二回、ウワーッですか?
浜田 メチャ怖かってん!
松本 そら、怖いわ。
浜田 おそるおそる窓開けて……。
松本 初めてコンタクトとることに成功したん?
浜田 成功したんですよ、私は……。何やーッ!って大声で言う
   て怖いババァやったら、かなわんから、小さな声で「何?」って言
   うたら……、そのババァ「いや、おとなしくしてるかと思って……」
   って言いよんねん。オレ「何が?」って、もう一回小さな声で言う
   たら、ババァ、「子供たちが……」やて!
松本 怖わーァ!!
浜田 メチャ怖かってん!!そのあと、車庫入れ早かった、早かった!

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