[こっくりさん]
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「・・『ひ』・・『と』・・『り』・・・・『だ』『け』・・『つ』・・『れ』
『て』・・・・『い』『く』」
「やだ、やだ、やだ!!」
「(泣き声)」
「こっくりさん、こっくりさん、お帰りください」
「まだ、動いてる!!」
「『ほ』・・『か』『は』・・・・・・」
「・・・・・・」
「『こ』『ろ』『す』」
「こっくりさん、こっくりさん、許してください」
「こっくりさん、こっくりさん、お帰りください」
「こっくりさん、こっくりさん、許してください」
「こっくりさん、こっくりさん、許してください」
「こっくりさん、こっくりさん、お帰りください」
「『いいえ』」
「もう、いや!!」
「(指を)離しちゃ駄目!!」
「もう、知らない!! 私帰る!!」
「離しちゃった・・・・・・」
「こっくりさん、こっくりさん、許してください」
「・・・・・・動かないよ・・」
「どうしよう、ねえ! どうしよう!!」
「私、知らないよ! 私、しらない!!」
「やだ、(戸が)開かない!!」
「鍵かけられちゃったんだ!!!」
「どうしよう! ねえ、どうしよう!!」
「こっくりさん、こっくりさん、許してください」
「いつまでやってんだよ!」
「だって、帰ってもらわなきゃ!!」
「窓は!?」
「こっくりさん、こっくりさん、許してください」
シャッ(カーテンレールの音)
「いやあぁぁぁぁ!!!」「キャァー!!」
「こっくりさん、こっくり・・」
テープはここで切れていた。
もう片面にはなにも録音されていない。
遺体の状況から、各自の手にした血にまみれたカッター、
定規、縦笛、箒、などから、互いに殺し合たようにも見えた。
学校では、各教室に鍵が取り付けられていたが、数年前から、
実際に鍵をかけるのは、使われていない教室だけになっていた。
事件当夜も、現場となった教室の鍵は開けられたままだった。
ろうそくは途中で消えており、もし、ろうそくの明かりが
点いていれば、用務員が見回りをする際に気が付いたはずである。
また、窓には全て鍵がかけられていたが、窓の外側には、
一つだけ、子供のものと思われる、血の手形が残されている。
不思議なことに、教室からは四人の遺体が発見されたが、
遺体のどの指紋もその手形とは一致していない。
声紋鑑定の結果、テープには五人の声が録音されていた。
教員、生徒に確認をした所、テープ中の「○ッちゃん」
と呼ばれる女子生徒を知るものは、誰も居なかった。
この事件の真相は、未だ解明されていない。
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