[滑空]

俺が唯一実体験した怖かった事。
だいぶ昔スキー場で姉達3人とソリで滑っていた。
一つのソリに3人がムリヤリのって、坂のてっぺんから一気に下まで滑り降りていた。
何度もチャレンジしたがいつも途中でバランスを崩して倒れ込み、その度に坂を登り直して再チャレンジを繰り返した。
次第にコツをつかみ、イヨイヨ成功の時がきました。
スピードはドンドン速くなっていきます。スキーをしてる人をどんどん追い越していきます。
もう止まれないんじゃ無いかと思うくらい凄いスピードです。
だんだん坂の終りが近づいてきました。
坂ノ下には1メートル程の高さで雪を盛っており、その向こうは崖になっていました。
いくらなんでもその雪の塀を越えてまでは行かないだろうと思っていましたが、そこが子どもの浅はかなところで、
見事に塀をジャンプ台のように乗り越えたかと思うと、俺はソリと一緒に大空に舞い・・・続いて崖下に・・・
と思ったら、張られていたネットに引っ掛かって宙吊り状態。
直ぐに側にいた大人達に助けられましたが、幼稚園くらいだった俺でも死を感じました。
因みに姉達は坂の手前で後ろに転げ落ちており、それ故に軽くなったソリは宙を飛んだという事らしい。
今でも時々その時見た崖下を思い出しては鳥肌がたちます。助かって良かった。


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