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[大水難]
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同居し始めた頃は塞ぎ込みがちだったSさんも
優しい祖母と暮らしていく内に少しずつ元気を取り戻し
N先輩と付き合い始めたことでより一層明るくなりました
しかし人並みの中学生活を送れるようになった中3の秋
またしてもSさんを絶望が襲ったのです
心の拠り所となっていた祖母が
自宅の風呂場で溺れて亡くなったのです
高齢者が風呂場で亡くなる事自体は珍しく無いとはいえ
両親も弟も水の事故で亡くしているSさんにとっては
耐え難い衝撃だったでしょう
その頃からSさんは自宅に引きこもるようになり
高校への進学もせずに
祖母の遺産で暮らすようになりました
外へはあまり出ずに、N先輩と会うのもいつも自宅で
そのうちにN先輩は自分の両親に事情を話し、泊まり込みの許可をもらったことで
食料を買い込むのもN先輩がするようになっていったそうです
そんな生活がSさんに追い討ちをかけたのか
やがてSさんは毎晩のように悪夢を見るようになりました
その悪夢が最初に話した悪夢と酷似するものでした
Sさんの場合は、それが毎晩進行していって
足音がどんどん近づいて来ていたそうです
心配するN先輩にも「あの足音が側に来たときに自分は死ぬ」と話していたそうです