[祟りに負けない]

普通に怖いと思ったが、知人に話したら「それはちょっとひどいな……」と言われた話。
俺の友達が結婚する前、付き合ってまだ間もない頃に突然彼女から
「うちの親戚って、なんかね、祟りか何かあるみたいなんだけど、
そういうの気にしないなら結婚して欲しいんだけど」と言われて、
気にしない友達は結婚したわけ。ところが二年後に嫁の従妹が亡くなって、
その一月後に嫁の叔母さんが亡くなって、その数週間後に従弟がが亡くなって、
そのすぐ後に伯父さんが亡くなったので、香典貧乏というか、
出費がかさんだせいもあって、友達は嫁に冗談で、「祟りって凄いな」と言ったそうな。
ところがその数日後にまた従姉が亡くなって、
数えたら最初に亡くなった時か三年以内に13人の親類が亡くなっていて、
死因は全員交通事故死。それで流石の親友も偶然にしては多いなと思った時、
嫁から「別れたいなら、別れていいよ」と言われたけれど、
子供が二人いたしそんなつもりは毛頭ないと断ったと言っていた。
しかしその数日後に嫁が交通事故に遭って、幸い命に別状はなかったみたいだが、
嫁の頼みで離婚して、それでも今もまだ一緒に住んでるみたい。
実感が湧かないから、俺は友達に「そりゃ大変だな」としか言えなかったが、
その時親友が言った、「大変だけど、偶然偶然!」という言葉が忘れられない。

次の話

Part136menu
top