俺の通っていた中学校は、団塊ジュニア世代が大量入学するのに備えて新たに設立されたため、学校の校舎は
かなり大きな建物であった。しかし俺が通っていた頃には既に生徒数も減少し、幾つもの空き教室が存在した。
その学校自体が丘陵地の斜面に建てられていて校舎へ入る玄関は建物の2階部分、また校庭もその2階部分と同じ
高さにあり、空き教室は全体的に日当たりのよくない北校舎の1階部分に集中していた。1階の空き部屋は
5つもあり、そこには使われない卓球台とか大きな地図版とか体育祭や文化祭で使った様々な用具が無造作に置かれ
物置と化していた。そしてその5つの空き教室は全て扉が外から施錠されており、立ち入り禁止となっていた。
だが、5つあるうち2つの教室は廊下側の窓の鍵が開いていたので、それを知っている一部の生徒が無断で侵入して
隠れてタバコを吸ったり、シンナーやっていたり、中にはそこでセックスをするツワモノもいた。
これらの5つの部屋は全て、廊下側も外側も窓に黒いカーテンが掛かっており、入れるほうの2つの部屋もこの
カーテンをキチッと閉めてしまえば外から分からなくなる。又、その2つの部屋に入った後、廊下側の窓の鍵を内側
から閉めてしまえば、後から来る邪魔者も防げて隠れて何かワルサするのに便利だった。
もっともこんな退屈な場所、普段みんな遊びに行かなかったけどね。