[修学旅行]

私が修学旅行で、あるホテルに泊まっていたときの話です。

その日、私はどうしても具合がすぐれなかったんで…
夜になってから、担任の先生にお願いして病院につれていってもらいました。

その病院の医師の診断によると
「精神的負担によるもので、この時期の修学旅行生にはよくあること」
らしいのですが…

私には、その精神的負担を受けた覚えがなく、
どうしても、その診断に納得がいきませんでした。

そして、その医師は、私の担任に向かってこういいました。
「なにがあっても、この子を決してひとりにしないでください。」と。

その後、私は、とまっていたホテルに戻って、
友達のいる部屋でぐっすり眠ることができたのですが…
夜中に、ふと目を覚ましたとき、
同じ部屋にいる友達全員が心配そうな顔でこちらをみているのです。

「おまえ、大丈夫か?」
「おまえ、眠りながら、痛いだの熱いだのもがいてたんだぞ…」

私は、そのとき、はっと医師の言葉を思い出し、
「俺、一人じゃなかった?」と友達に聞くと、

「お前一人残して、みんなでトイレに行ってかえってきたら、くるしそうにもがいていた。」
というのです。

もしかすると、病院の医師はこのことを予期して
私をひとりにしないよう忠告したのではないでしょうか?

今思い返してみると、
私の中に、なにかがのりうつっていたのかもしれません。


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