[ウサギ男]

「華がない」と考えれば確かに怖くないですねw

昨日は時間なくて書けなかったのですが、もう一つ聞いてください

昨日の話の中に出てきた従妹の子のお兄ちゃんの話です
その子も3、4歳の時やっぱり「頭の中の友達」がいました
その男の子の歳は自分と同い年で、目が見えないらしいです
ある日その子が自分で止められるはずのないパジャマのボタンを止めきっていて、
「誰がやってくれたの?」と聞くと「友達のお母さんが」と言った事がありました
それぐらいなら「不思議なこともあるもんだなあ」ぐらいで済んだのですが、
その子がちょうど4歳ぐらいの時、「赤い髪をしたおじさんがこっちを見て笑って
いる」などと言いだしました 
その人は真っ赤な髪で歳は亡くなった祖父よりも少し若いそうです
それから一人でトイレに行くことや寝る時に電気を消すことも怖がるようになり、
しまいには「この部屋には人が何人いるの?」などと言い、私達を恐怖のどん底に
陥れてくれました
ある日何気なく祖母にその話をすると、古いアルバムを見せてくれました
そこには私の祖父の兄弟が全員で並んでいる写真があり、ちょうど祖父のと
なりに写っている人物は真っ赤な髪をしていました
その人は大分前に亡くなった祖父の弟、私の大伯父だそうです

大伯父は交通事故で少し知恵が遅れてしまったらしく、長男であった私の祖父が
彼の面倒を見ることになったそうです 
食事も皆と一緒に取らず一人で倉庫の中で暮らしていたそうです
ですが、事故以来体の弱っていた大伯父はすぐに亡くなってしまいました

従弟の子は前にその倉庫があった所に近付くのを怖がり、そこを避けて歩いていました
そして話を聞いていくと、驚く事に私が小さい頃にその家で見た男と特徴がそっくりでした
私はその男の事を小さい頃「うさぎ男」と呼んでおり親しんでいました
その男はなぜか一緒に遊んでくれたり、話をしてくれたりしました
なぜ「うさぎ男」かと言うとその男がいつも頭に垂れたうさぎの耳のような頭巾をかぶっ
ていたからです 今では顔はぼんやりとぼやけていて、頭巾をかぶっていたというところ
までしか思い出せないのです

私は怖くなりもうその話を聞く事はやめたのですが、今でもあの家では不思議な事が
時々起こります
祖父や祖母が先祖を大事にしていない事や昔あった隣人とのトラブルなど、色々な
怨念があの家には篭っているのかも知れません


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