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- えーと続きます。
詠むのがきついひとはオシッコいって毒気を抜いてください
だいぶん、違うと思います。
*自己責任で喚んでください
*自己責任で喚んでください
卒業して家業を継ぐという話は、その時から諦めな
ければいけませんでした。その後私たちはバラバラ
の県で進路につき、絶対に顔を合わせないようにし
よう、もし会っても他人のふりをすることにしなけ
ればなりませんでした。
私は、1年遅れて隣県の高校に入ることができ、過
去を忘れて自分の生活に没頭しました。髪は短く刈
りました。しかし、床屋で「坊主」を頼むたび、私
は神主さんの話を思い出していました。今日来るか、
明日来るか、と思いながら、長い3年が過ぎました。
その後、さらに浪人して、他県の大学に入ることが
できました。しかし、少し気を許して盆に帰省した
のがいけませんでした。もともと私はおじいちゃん
子で、祖父はその年の正月に亡くなっていました。
急のことだったのですが、せめて初盆くらいは帰っ
てこんか、と、電話で両親も言っていました。それ
がいけませんでした。
- 569 名前:連休厨 投稿日:02/05/02 21:11
駅の売店で新聞を買おうと寄ったのですが、中学時
代の彼女が売り子でした。彼女は私を見るなりボロ
ボロと泣き出して、BとDがそれぞれ死んだことを
まくし立てました。
Bは卒業後まもなく、下宿の自室に閉じこもって首
をくくったそうです。部屋は雨戸とカーテンが閉め
られ、部屋じゅうの扉という扉を封印し、さらに自
分の髪の毛をその上から一本一本几帳面に張り付け
ていたということでした。鑞で自分の耳と瞼に封を
しようとした痕があったが、最後までそれをやらず
に自害したという話でした。
Dは17の夏に四国まで逃げたそうですが、松山の
近郊の町で、パンツ1枚でケタケタ笑いながら歩い
ているのを見つかったそうです。Dの後頭部は烏が
むしったように髪の毛が抜かれていました。Dの瞼
は、閉じるのではなく、絶対閉じないようにと自ら
ナイフで切り取ろうとした痕があったそうです。
このときほど中学時代の人間関係を呪ったことはあ
りません。
BとDの末路など、今の私にはどうでもいい話でし
た。つまり、アレを覚えているのは私一人しか残っ
ていないと、気づかされてしまったのです。
- 570 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/05/02 21:16
- *自己責任*
胸が強く締め付けられるような感覚で家に帰り着く
と、家には誰もいませんでした。後で知ったことで
すが、私の地方は忌廻しと云って、特に強い忌み事
のあった家は、本家であっても初盆を奈良の寺で行
うという風習があったのです。
私は連れてこられたのでした。
- 571 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/05/02 21:17
- *自己責任*
それから3日、私は9度以上の熱が続き、実家で寝
込まなければなりませんでした。このとき、私は死
を覚悟しました。仏間に布団を敷き、なるだけ白い
服を着て、水を飲みながら寝ていました。
3日目の夜明けの晩、夢にAが立ちました。Aは骨
と皮の姿になり、黒ずんで、白目でした。
「お前一人やな」「うん」
「お前もこっち来てくれよ」「いやじゃ」
「Cが会いたがっとるぞ」
「いやじゃ」
「おまえ来んとCは毎日リンチじゃ。逆さ吊りで口
に靴下詰めて蹴り上げられよるぞ、かわいそうやろ」
「うそつけ。地獄がそんな甘いわけないやろ」
「ははは地獄か地獄ちゅうのはなぁ」
そこで目を覚ましました。自分の息の音で喉がヒイ
ヒイ音を立てていました。枕元を見ると、祖父の位
牌にヒビが入っていました。
- 572 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/05/02 21:19
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