[どこ見てるんだ?]

数週間前出かけたんだが、地元じゃちょっと有名な心霊スポットに差し掛かったわけだ。
そんなもの信じちゃいなかったし今まで結構通ってて何もなかったから噂すら体験した後に聞いたくらい。

トンネル抜けてから50m位かなカーブにはいるんだが、そこで人影が見えて急ブレーキ
当然トンネルがあるようなところだから民家なんて無いし、山菜取りやらで歩くような時間でもなかった
深夜と言っても23時くらいか・・・
でブレーキ踏んで止まってみて衝撃が無かったから、俺の見間違いか素通りしようとしたら

「どこ見てるんだ?」

と確かに聞こえた
ありがちな話だけどこれはガチ
マジ怖くて半泣きだった

実体験すると笑って馬鹿じゃねぇのと言えるのがどれだけ幸せか理解できるわ・・・

で、これは後日談なんだが、もう一度同じ場所に行ってみたんだ。
すごい嫌だったんだけどさ、確認のタメに、どうしても行きたかったんだ。
そしたら、また人影が見えたから急ブレーキ。
「誰だ!?」って大声で叫んだのよ。
そしたら、また聞こえたんだ。

「どこ見てるんだ?」

背筋が凍った。明らかに真後ろに誰かいるんだよ。
さっきまで、目の前にいたはずの影が、前方から目を逸らしていないのに
いつのまにか真後ろにいるんだから。俺は、心の中でとにかく叫んだ。
「負けちゃだめだ!」 決心した俺は、

「お前は、背後に回る事ぐらいしか能がないのか?そのぐらいなら…俺にもできるぜ!」

といって瞬時に影の真後ろに回りこんだ。もう、ここまできたらとことんやってやる。
「スピードは互角!! だが、俺は毎日筋トレしている分!お前よりもパワーがある!
そして、俺の持っている握り壊剣がそのパワーを十分に引き出す!!ヴァァァァァァ!!!」
と叫んだ後、俺は失神した。

気付いた時は病院でした。結局、影の正体はわかりませんでした。
結果、俺は右足を骨折、顎に打撲の全治1週間の怪我を負ってしまいました。
皆さん、あのトンネルには近づかないで下さい。


次の話

Part129menu
top