[百物語の顛末]

 専門学生の頃、仲間内で百物語やったんだよな。
 でも実際、百も話が無い。んで、ネットで「自分的に怖い話」を掻き集めて
なんとか百個、怖い話を集めたんだよな。
 蝋燭立てんのは、火事なったら恐いから、煙草を、一つ話したら一本吸うっ
て方法で。
 んで百話し終わって、百本目の煙草を灰皿に押し付けたら、不完全燃焼でも
起こしてたのか、なんか吸殻が燃え上がってさ、女の子ら、ビビッて泣き出し
たんだよ。・・・でも、マジ怖かったのは。
 窓ガラスが突然割れた事。いや、公民館だったんだけどさ。同窓会って名目
でレンタルして。大会議室でやってたんだ。窓は押し開くタイプで12枚あっ
て、それが全部一気に割れたんだぜ。
 「やっぱ、ネットで他人の話、集めたのは、ズルかったよなぁ」
 仲間の一人がそう言ったら・・・
 『そうだ』
って、天井から声がしたんだよ。

 何つーか、上からした声なのに、地を這うみたいな声で。
 で、何が怖かったって、その『そうだ』って声で、いや別に「怖い声」じゃ
なかったんだぜ。なのに、全員気絶したんだよ、俺も。
 目覚ましたら、すでに朝で、更に絶叫モンの恐怖が其処に・・・

 窓、割れてなかったんだよ。
 なのに、ガラスの破片が部屋中に散らばってて。
 俺らガラスの破片の絨毯の上で、寝返り一つ打たずに寝てたんだ。


次の話

Part126menu
top