[人の歯が・・]


子供の頃、かくれんぼをしていました。
住宅や雑居ビルが入り組んだ地帯に住んでいたので、 隠れる場所などいくらでもありました。

特にビルとビルの隙間は見つかりにくく、
私はよくそこに隠れていました。
もちろん、ただ間に入るのではなく、
そこに捨ててあるダンボールなどを被って、
より見つからないようにするのです。

その日も5人ほどで同じ遊びをしていました。
私はいつもの場所とは違う、もう1つ裏の方面にある、
ビルとビルの間に隠れる事にしました。

そのビル間は1mくらい開いていましたが、ダンボールなど何も無かったため、
どうしようかなとうろうろしていました。そのうち、
白い消しゴムの欠片のような物が落ちている事に気付いたのです。
私は興味を持って近付きました。

否。白い消しゴムではなく、人間の歯、でした。

(それなりに光は入ってきているので識別できました。)
げっ、と思って捨てると、頭の上にかかかかっ、と何か落ちてきました。
うち一個か二個か、背中に入りました。なんだよ〜と見るとやっぱり全部人間の歯・・・

そして上を見ると、太陽の眩しい光の間に黒い人影。

一瞬ぶるっ、と体が震えた後、全速力で逃げました。
もちろん見つかってしまいましたが、どうでもよかったです。
安堵の溜息をついて、何気なく指を見ると、真っ赤な血がついていました。

どうやらリアルタイムで抜いていたようです。
全く以って意味不明の体験でした・・・


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