[掴む人]

この話は大学に居た時の話。霊感?って言うかその世界の事を深く知ってる人と出会った時の事。

当時俺は幽霊とかって全然信じてなかったんだけど、大学入って、二ヶ月も経つともうすっかり信じてた。
その二ヶ月の間に何があったかって言うと、ある人に出会った。

きっかけは幽霊信じてる友達に「霊なんて居るワケないし。そんなに自分は特別なんだって思いたいの?」って言った事だった。
その時の俺は何か機嫌が悪くて、次の日に凄く後悔した。
そしたらそいつ、「ちょっとついて来い」って次の日にやって来た。昨日の事怒ってんのかなー?なんて思ってたら、
会わせたい人が居るって言って、食堂に連れていかれた。
でもって、食堂で待ってたのは優しそうな女の人。童顔で目が少し垂れ気味で、可愛いなーって思ったのを覚えてる。
その人見てたら友人が、
「じゃ、あの先輩と話てみ。信じるようになるから」
はあ?教祖かなんかか?って思って、用心しながらその人に向かい合う席に座った。
そしたら
「肩凝ってない〜?」
ってふにゃふにゃ〜って感じで笑いかけて来て、何か毒気抜かれちゃって。
それにここ最近肩が妙に凝ってたのも確かで(今思うと異常に凝ってた)
「あ、凝ってますね」
って言った。
そしたら、やっぱり〜?って言いながらまたふにゃふにゃ〜って笑って、
「じゃ〜揉んであげるね〜」
その人、席を立って俺の後ろに立つと、肩を揉み始めた。これがヤバイくらい気持ちいいんだ。
「あーやば、気持ちいいっす」
「でしょでしょ〜」
で、気持ち良すぎてだんだん眠くなってきた。
「あ、すいません、眠りそうっす」
「あはは、寝ちゃえ寝ちゃえ〜」
そしていつの間にか眠ってたんだけど、突然ガバって目が覚めた。
「あ、落ちたよ〜」
先輩が一言言った瞬間、目からドバドバ涙が出てきた。
訳分かんなかったんだけど、なんか悲しくて涙が止まらなかった。
「大丈夫大丈夫。悲しいよね。大丈夫」
先輩は俺(?)を慰めてくれた。で、それから俺は霊の存在を信じる様になった。

後で先輩に聞いた所、その時俺の肩についてたのは、【掴む人】って種類の霊だったらしい。
先輩が言うには、俺は霊感は人並み程度、普通くらいらしいんだが、異常なくらい【掴む人】を引き寄せる体質らしい。
しかも肩を揉んだ次の日、また【掴まれて】たとの事。なんなんだ、俺w
その事があってから、俺はだんだんとオカルトにはまり出して、先輩から色々教わったりして、いつの間にか、
先輩の事を先生、て呼ぶようになってた。それから先生とその仲間?と色んな事に首突っ込んだりした。
その話は、よければまた今度したいと思う。


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