[指ほしい]


俺厨房の頃、町の夏祭りに友人と夜遅くまで遊んでた。
もう日付がかわる頃、
「もう、ねみ〜し帰るべ」
って事になりお開きになった。
帰り道、細い道を友人と二人で歩いてると、前からこちらへ歩いて来る人がいた。どうも酔っ払ったオッサンらしく、ひょこひょこと正に千鳥足だった。
絡まれるとウゼーと思い、二人で道の端により道を譲ろうとした。
オッサンは立ち止まり俺等を虚ろな目で見た。
そしてゆっくりと口を開き、幼児の様な高い声で、
「指・指、欲しい」
と言って、背中に隠してたらしいナタを出してきた。
俺等一目散に今歩いてきた道引き返したんだが、オッサンも後からついてくる。途中、二手に別れて逃げたがオッサンは俺の方には来なかった。
数日後、別の道を逃げた友人の指二本取られてた事を知った。
長文、駄文すまぬ。


次の話

Part124menu
top