[忘れ物]
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結局、学校では捜し物は見つからなかった。
学校を出て先生に入って来なかったか聞いたが、
ずっと外で待っていたらしい。
トボトボ帰っていると…校門の付近で探していた作品の一部を発見した。
なんだ、帰る途中に落としたんだなぁ…
その時はそう思って片付けた。


時はたち、そして私は母校の小学校の教師になった。
4年のあの日まで、その昔の出来事は忘れていた。
私は戸締まりの係になっていた。最後に学校中を見て周りカギをかける。
鼻唄混じりに、見回りをして回った。
風は強く窓はガタガタ揺れていたが、私にはなんて事はなかった。
時刻は6時ほどになっていた。
気付くと校内は真っ暗になっていた。
三階の第二校舎…あの頃と一緒だ、風が吹き込んでいた。
窓を一つ閉め忘れていたかな?と思い廊下が目に入り込んだその時…
廊下を歩く少年がいた。
なにやってんだ?
と話しかけたが反応は無く歩いていたので、
小走りで走り寄ると、ダァーッと走り出したので
追い掛けていると少年は転んだ、
大丈夫か?
と話しかけて肩に手をやった時に気付いた…
あの時と同じだ…

私は思わず少年から逃げてしまった。
逃げたが…立ち止まり、冷静になって考えると、
ありえないと思い少年のとこに戻ったが少年は既にいなくなっていた。
その出来事が気になってしまい…
今は倉庫になっている、昔の図工室に入って見た。
部屋に入ると一つ気になったいっぱい小物の詰め込まれた段ボールがあり、
わけもなく手を突っ込んでみたら…
一つだけ掴んで取り出した。
記憶は曖昧だったが…おそらくあの作品の一部だろう、
なぜかそう確信を持てた。私は三階の窓から校門に向かってそれを投げた。

とりあえず、その後、少年を探してまわったが、見付からなかった。

やはりあの少年は私だったのだろうか…


あまり怖くなかったですね???
ただの根拠のない不思議体験みたいになってしまいましたf^_^;
でも、今もその少年は、私自身だったのだと何の根拠もありませんが思っています。


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