[一週間過ごした女]
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一同静まり返ります。そして誰からともなくこんな声があがりました。
『そういえば俺、あの子がトイレに立つとこみてねーよ』
『そういえばあの子、ぜんぜん酒のめなかったよな。ていうか、、飲んでるとこみてねーよ!』
『やめろよボケが!んな人間いるわけねーだろ!俺らが酔ってて気づいてねーだけなんだよ!』
Hは必死にまだAちゃんのことを説明していましたが、
その同級生はそんな友達いないしそんな大荷物もった子なんて見かけてもないと言い張るんだそうです。
気持ち悪くなって、いったん電話を切り、Aちゃんにかけてみたそうです。

お客さまのおかけになった電話番号は現在つかわれておりません。。。。

一同あせりまくったそうです。メールしてもおくれない、何回誰の電話からかけてもつながらないのです。
昨日までつながってたAちゃんの電話が。
そのとき、Hは思い出してしまったのです。身の毛もよだつ事実を。

おい、N、お前引き出しの中みたか?!!

は?なんだよ みてねーよ なにいってんだおまえこんなときに?

俺らお前のこと脅かそうと思って合コン行く前にお前の机に入れたんだよ!
廃病院で取ってきたレントゲン写真!

んなもん見てねーよ!気味悪いもんもってくんじゃねーよボケが!

これだよこれ!

Hが引き出しを開けたとこにはレントゲン写真はもうありませんでした。
部屋のどこを探しても見当たりません。
レントゲン写真はAちゃんとともに消えてしまったのです。


Hが思い出した事実とは  Aちゃんの名前が 
レントゲン写真の右下に書いてあった患者さんの名前と一緒だったってこと。

男の子全員にAちゃんは見えていたし、話もしたのに、
合コンに来ていた女の子たちは口をそろえて、そんな子はじめからいなかった
といいはるらしいのです。

レントゲン写真の名前の横には 87歳 と表記されていたそうです。
一週間一緒にすごした同姓同名の女がレントゲンとともに消える。

自分たちと同年代に化けて怖がらせないようにしてくれたのだろう
とHらは話していた。
その後廃病院へ行き 全員でごめんなさいをいいに行ったそうです。


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