[ネットで百物語]

…じゃあ書こうか。ちょっと長くなるぞ。すまんな。
痛手というか、なんつーか…あ、でも呪われたわけじゃないぞ。多分な…。

実は俺、今は無いけど個人的なHPを持っててさ。
携帯用の無料作成サイトとかの奴な。
別に一般公開とかじゃなく、俺を含めた友人5人の為だけのHPでさ。
ちょっとした連絡とか、内輪ネタなんか書いたりして。

で、夏になる頃に管理人の俺がちょっとした企画を思い付いたわけよ。
それってのが百物語だったんだよ。そう、百個怪談話したら怪を招くってあれ。
丁度、新耳袋とかにはまってたから、やってみたくなってさ。


毎日一話ずつ怪談を書く。ちゃんと毎日一話。休み無く。
10話事にちゃんとカテゴリーがあってな。○○にまつわる話とか。
全部怪談だと、本当に何かあっても嫌だし、怪談からずれたカテもあったな。
なんか現実的に怖いの(金玉鬱血で片玉摘出とかのグロ話等)とかな。

で、書いていく内に俺おかしくなってきて。…つーのは
なんか見間違いが増えたんだよ。白い小さい光が浮いて見えたり。
まあ見間違いだよな。ただそういうのが本当に増えて
周辺視野に人の影とか見えて。でも百物語の更新は止めなかった。
まあ見間違いだろ?ってな。

そんなこんなでとうとう三か月を過ぎていよいよ明日が百夜目。
つまり九十九夜目の話を書いていた時。

怪談を書くのは友達と遊んだ後の寝る前、一時とか二時。
夏の湿気の多い暑さの中、パソコンの前に座ったんだ。
パソコンがあるのは一階。大きなドアみたいな窓を網戸以外開けて凌いだ。
網戸越しにすぐ隣りの家の敷地。風なんか全くねぇの。そんな中キーボードを叩いた。

…あと数行。そんな時だった。
すぐ近くで、ガザガザガサ…ってはっきり音がしたんだ。
あんまり普通に聞こえたんだが、そんな音がする物なんかない。

なんだろ?って回りのものを叩いたり擦ったりしてみた。
尻の下の薄っぺらな座布団、畳、机、壁。
とにかく音の正体が知りたくてな。
でも結局音の正体はわからなかったんだ。
座り直して軽く背伸びをした時、何かが手に触れた。

ガザガザガサガザガザガサ

…指先が触れたのは網戸だったんだ。
ああ!この音だったんだな!


四方を家に囲まれたこの家の網戸を?
深夜二時に?
誰が…?


網戸を見ない様に閉めたね。久しぶりに怖いって思ったよ。

まあそのおかげで最恐の百夜目が決まったんだ。

百夜完成の翌日、ネタでも何でもないのに百夜目の感想は
「それってなんの本に載ってたやつ?」
だとさ。orz


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