[神様助けて]

第一車の音もしなかったのです!耳を済ましていたので気付くはずなのに・・・。その足音は実際に
2番目のお兄ちゃんが使っている部屋へと入っていきました。ドアの開閉の音までも2番目の兄のものでした。
でも不思議なもので私はおにいちゃんの音というだけで安心してしまいました。ありえないのに
何か忘れ物を取りに来たのかな・・・と考えていました。

しかし、次の瞬間不吉な気配を感じました。誰かが私の部屋に来る・・・。でもお兄ちゃんの部屋からは
もうドアを開ける音はしなかった。だけどしとしとと足音がコッチに向かってるのが感じられました。
そしてドアが開く音・・・。今度は静かなものでした。そっとあいた気配がしました。
私はそのときうつ伏せで気配が家族のものとは全く違ったので怖くて怖くて目をぎゅっと瞑って
それが何なのか見ることが出来ませんでした。恐怖で動くことも出来ずに・・・。
足音は静かに近づいてきて、次の瞬間腰に人の重みと温かさが伝わりました。
人が上に乗ると体温が伝わってきて暖かいですよね?その温度です。とてもリアルでした。
でも今思うと少し人にしては軽かったかも・・・。普通苦しくなっちゃいますもんね。
でもその時は恐怖でそんなことも考えられず、すでに気付かれてるはずなのに
(動いたら殺られる、気付かれたら殺される!)と思いじっとしたままでした。(バカ)
そしてその重みはゆっくりと背中、肩・・・と上に上がってきて(上がってきたというか
順に体重が掛かってきたというか・・・)
最後に首(このときはうつ伏せだったのでうなじの部分)に人の手が、それも暖かい両手がそっとかけられました。
ちょうど首を絞めるときのような形で。

その瞬間さすがにもうだめだと重い叫ぼうとしましたが声が出ない!体も動かない!!
人が乗ってるからじゃない。金縛りです!!
でもまだ首は絞められていませんでした。そっと添えられているだけ。でもいつ絞められてもおかしくない感じでした。
もうだめだ!と思い(神様、助けて!)と心の中で叫んだ瞬間、今までの重みがふっと消え
声も出て体が動くようになりました


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