[潰れたボーリング場]
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入ったときの感想は、汚いのとやはり半端なく気味が悪い。
落書きがひどく、床には得体の知れないゴミが四散してた。
俺とKは先へ進んだ。
「この先の女子便所がやばいらしい。2人出るそうや」
Kがボソっとつぶやいたので、俺はははっと苦笑いしてた。
気づかないうちに俺はKの腕に擦り寄ってた;

3分くらい歩いてそれらしい部屋の前へ到着。
外もすっかり暗くなってた。懐中電灯の照らす赤い光がすべてを気味悪く映す。
俺のビビリボンテージは絶頂に到達しそうだったので、Kに戻ろうぜと言ったが、
「んじゃおめェ一人で帰って寝てろや」と言われムッとなりしょうがないので一緒に入ることにした。

Kがドアノブを4回くらい回し、ギギャッと嫌な音を出して扉が開いた。
中からなんともいえない異臭が漂う。乾いた便所の匂いだ(?
Kと俺が中に入ってすぐに横の化粧鏡に気づいた。
Kは鏡に映った俺とK自身の姿をじっと見つめた。
「!!」
Kが突然すごい形相になり言った
「いますぐ逃げるで!はよ!」
俺はなにがなんだかわからなかったが、Kのフードをつかんで一目散にエスケープ。
ボウリング店を出てからも大分走り、家の近くになりようやくとまった。
俺はKになぜ逃げたか事情を聞いたが、なぜか話そうとしない。

それから学校で何回かKと会ったが、話もしようとしない。
そんなKに立腹した俺は、「いい加減にしろよ。どうしたんだよ一体」とKに詰め寄った。
するとKの口からとんでもない言葉が出た。

「あんとき鏡みたやろ?わいと、おまえの背中に一人ずつ女が負ぶさってたのが見えたんや・・」
俺はそれを聞いた瞬間絶句したが、なぜ数週間たった今でもなおそんな様子なんだと再度尋ねた。

「だっていまも負ぶさってるんやもん・・」


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