[ワンピースの女]

人生1番恐かった経験


前回の件があった六年後、一家揃って隣の県に引越ししていました。
当時私は社会人一年目でありまだまだ学生気分があまり抜けておらず、その日新入社員四人で心霊スポットに行こうとなった
正直行きたくなかったが、普段気の強い私がこういうのを怖がると思われたくないと思い行く事にした。
そこは首つり自殺の名所であり車がすれ違う事の出来ない細くて小さなトンネルで、工事を途中でやめたのか所々鉄骨がむき出しな所で、その鉄骨で首をつる方々がいると言われている場所でした。
後部座席に乗りそのトンネルを通過…
途中運転していたF君が一瞬ブレーキをかけ「気のせいかな?何かが前を横切った気がするんだけど?」と言っていたが、実は私は怖くて目をつぶっており見てはいませんでした。

その時はそれ以上の何ごともなく過ぎてゆき会社の駐車場まで戻り、それぞれ自分の車で自宅へ戻る事になりました。
自分の車に乗り込み時計をみると12時を過ぎており、『やばいな〜親に怒られるかな。急ごう』などと思いながら車を走らせていました。

あと1q程で家につく距離になった時、視界の左端に白いワンピースの人影が見えた気がし、車のブレーキをかけたのですが、見ると誰もいません
『ん?気のせいか。ってか、急がなきゃ』と、親に怒られるかもしれないと思っていた私はさして気にもせずスピードをまた上げました。
ところが、あと500M程で家につくという所でまたしても視界の左端にワンピースの人影が写った気がし、スピードを落としたのですがやはり誰もいません。
(この時点で白いワンピースには花の模様がチラホラと着いている服だと気がついたものの、『気のせい』ということに自分の中でしていました)
家に着き車を車庫に入れ(自動シャッターだったので車を入れる時には車からおりていません)車を降りた瞬間、人の強烈な視線を背中に感じ『車庫の中に人が?!』と思った私は咄嗟に電気を付けました
が、もちろん誰もいません。しかし明らかに人の気配がするのです。その瞬間背筋がゾクゾクとし始め慌てて家に駆け込みました。
両親はすでに寝ており、私は恐怖をおしころしながら自室に入ったのです

続く