[ワニの中から]

戦時中ラバウルでのある日本兵の体験。

彼は絵描き兵(死んだ米兵の絵などを描いて敵の戦意を喪失させるための兵)
として配属されていたが戦況が戦況のため絵を描く意味もなくなったので
ゲリラ部隊に異動となった。

部隊はラバウル基地からトリウ基地への移動を命ぜられ
病・酷暑、そして激戦に耐えジャングルの中を歩き続けた。
既に食糧がつきて4日ほど。水さえ飲んでいない。

すると歩き続けているうちに部隊の者が川辺でワニを捕らえたらしい。
皆「ご馳走にありつける」と歓喜した。
そして背中から切り開いたとき見慣れたものが目に入った。

ワニの腹には日本兵の軍靴が入っていた。

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