[バッチャン]

バッチャンの葬式のときの話。

ある日バッチャンが交通事故にあって死んだ。
その日は日曜日だったので、バッチャンと公園でキャッチボールしていたんだ。
バッチャンが
「このボールはうちの宝物なんやで。
俺のお父さんのお父さんのお父さんのときから使ってんねんで。
それから…」
とバッチャンが延々とボールについて自慢し始めた。
俺はちょっとこんな風に思ってしまった。
(うるせぇなぁ…
まだ続くのか?つまんねぇ話が…
そうだ!これをわざと遠くに投げて話を中断させよう!)
これが間違いでした。

そして俺は遠くにボールを投げた。
バッチャン「あ!ちょ…なにすんだよ…」
とバッチャンは取りにいった。

そして
「バァッチャーン!」
凄い音がした。
俺はバッチャンが牽かれたと確信した。
ビビりの俺は怖くなって家までダッシュした。

数時間後…
バッチャンのお母さんから電話があった
「あの…うちの息子が…」

そして、通夜
俺は気が動転しそうだったが…とりあえず行った
恐る恐る棺桶を覗いてみる…
バッチャンだ。
俺は泣いた。
もう、遅かった。

その夜、俺は寝られなかった。
そのまま朝になって一睡もしていない俺はフラフラになりながら洗面所へ。
そして、顔を洗い、頭を上げた…
バッチャンが…背中にくっついてる。

それから毎日バッチャンが背中についている。

バッチャンに殺される日もそう遠くない…


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