[坊主]

小学校低学年の頃、家は墓の近くで
弟とよく墓石に乗って遊んでたよ。
ある夜、いつものように子供部屋の2段ベットで
寝息をたてていたとき、弟に起こされた。
『外から声が聞こえる』と
そんなはずはないと思いつつも窓を開けてみると
そこには、袈裟を着た坊主が大勢
並んでいてお経を称えながら歩いてた。
その列の先頭に並んでた坊主の顔が今でも
記憶によみがえる。口は曲がり、目は白目と黒目が反転してた。

人間って真にビビルと悲鳴を上げたり喚いたりしないんだなー
その時も無言のまま弟の腕を掴みベットに引きずり込んで二人で
抱き合って寝たなー。おさな心に危険を察知して
身を守ろうとしたんだと思う。翌朝、昨日のことを
親父に話すと『きっと、
浮かばれない人が坊主の姿を借りて出てきたんだろう』
とのこと。それ以来そんな経験はしてないが、今でも
その時の光景が今でも鮮明に思い出される。
携帯から失礼しました。

次の話

Part115menu
top